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臨床における仮説-検証作業で必要なこと~反証可能性を意識する~

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こんにちわ!きんたろーブログ(@kintaroblog)です!(^^)!

臨床における仮説-検証作業で必要なこと

仮説-検証作業とは

さて、そもそも仮説-検証作業とは一体何でしょうか。

 

仮説-検証とは…

 

「仮説の真偽を、事実情報に基づいた実験や観察などを通じて確かめること」

 

という風にされていますが、まずここで押さえておきたいポイントが一つあります。

 

それは《仮説は事実ではない》ということです。

 

仮説はあくまで『仮の答え』でしかなく、事実ではありません。

 

臨床においてよく間違った例としてあるのが、推論が仮説段階であるにも関わらず『正解だろう』と誤解釈してしまい、検証しないまま事実と認識してしまうことがあります。

 

が、これではまだ『事実』は導き出せていません。

 

『仮の答え』を『事実』にするためには、必ず『検証』する過程を踏まなければならないからです。

 

つまり、これが『仮説-検証作業』です。

 

ただこの仮説-検証作業を行う際、誤りやすい点がありそれが『偏り(バイアス)』です。

 

バイアスは仮説-検証作業をする際に最も生じやすい誤った思考で、このバイアスが仮説-検証作業に沢山入ってしまうと、『事実』が大きく歪んでいきます。

 

そこで今日は、この思考が偏りやすい人が意識しておきたい事と、そのための対策をお伝えしようと思います。

カール・ポパーから学ぶ仮説-検証作業

皆さんはカール・ポパーという人物を知っていますか?

 

「反証可能性」という概念を作り上げた人で「科学は常に反証される可能性がある」と唱えた人物です。

 

「反証」とは

反証とは…

 

仮定的事実や証拠が真実でないことを立証すること。そのための証拠を探すこと。

 

とされています。

 

言葉が難しくて分かりにくいですね笑

 

ざっくり言うと…

 

『これではなかろうか?…』という自分が立てた仮説に対して、あえて「そうではない(反証)」という証拠を探すことです。

 

この一連の作業を『反証作業』といいます。

 

なぜ、反証作業をする必要があるのか?

 

なぜ、臨床においてこの反証作業をしなければならないのか。

 

その理由は…

 

✅バイアスを取り除くため

 

科学の世界では恐らくもっと沢山の意味が込められているとは思いますが、僕が臨床を行っていく上で『反証作業』をめちゃめちゃ大切にしている理由はこれです。

 

恐らくこれは少なからず皆さんにも経験があると思うので少し例え話しをしようと思います。

 

『症状Aの原因はBだろう。』

 

と仮にこのような仮説を立てたとしましょう。

 

ただ、『仮説』というのが少しやっかいなのがここで。

 

自分自身が立案した仮説というのは、「正しいはず」と、信じたい心理が働いてしまい、無意識に自分の思い通りの方向に進めたくなります。

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自分の思い通りの方向に進めたくなるとは、例えば以下のようなものをいいます。

 

✅症状Aの原因がBと決定づけるような検査のみ行う

✅症状Aの原因がBとならない評価結果が出ると、なかったことにして推論を進めてしまう

✅症状Aの評価を行う時に『出て欲しい結果』に誘導したやり方をしてしまう

 

これをやっちゃうと、病態解釈が歪んでしまい、結果『患者様に必要なリハビリ』ではなく、『自分のやりたいリハビリ』になってしまう可能性がとても高くなります。

 

故に、これらを避けるために『反証作業』という手続きを踏むことで自分の思考に偏りを生まないようにすることが出来ます。

 

臨床で仮説-検証を行う際に持っておきたいマインド

では、臨床で反証作業を行う際にはどういった思考やマインドをもっていなければならないのか。

 

先程の例(症状Aの原因はBだろう)でいうと…

 

✅仮説Bを否定する評価を行ってみる

✅仮説Bを否定する結果がでたらきちんと向き合う

✅仮説B以外の仮説(C.D.E)を考える

 

個人的には、仮説-検証作業を行う際にはこの3つの思考やマインドが凄く大切かな思っています。

 

特に、推論にバイアスが掛かりやすい典型例としては『仮説の量が少ない』ことが挙げられます。

 

仮説の量が少ないと、やはり1つの仮説を答えに導きたい心理はどうしても働くので(外れたら頭がフリーズするから)

 

その対策として3つ目に挙げている『他の仮説を考える』、つまり仮説の絶対量を増やすというは、思考の偏りを避けるために必要な事ではないかと思います。

 

仮説を増やすにはどうしたらいいの?

仮説を増やすと言っても、そう簡単にはできないですよね。

 

なぜなら仮説を立てるためにはそれなりの『知識量』が求められるからです。

 

となると、当然勉強しなければなりません。

 

しかし、そうは言っても1人の頭のキャパシティでは乗り越えられない事だってありますし、知識が足りない事だって絶対あります。

 

そんな時の対策としてあるのが『症例検討会』です。

 

本来、症例検討というのは『改善したorしてない』という事を話し合う会ではなく、1人では思いつかない仮説を他の人の頭(知識)を借りることで仮説の量を増やすことにあると僕は思っています。

 

終わりに

さて、以上が仮説-検証作業を行う上で意識しておきたい事になります。

 

臨床を行っていると、どうしても自分の意図したい方向に推論を結びつけやすくなってしまうことがありますが、それでは論理に飛躍が生まれたり、本当の原因を見誤ることがあります。

 

だからこそ、自分の臨床推論を進めていく上では『反証する』という思考の癖を何処かに持っておくとゼロベースで推論を進めることが出来るのではないかと思います。

 

ただ一方で、ここまですごく簡単に反証作業の事を話してきましたが、実際に臨床でこの作業(仮説-検証作業)をするとなるとめちゃめちゃしんどいです。

 

なぜなら、自分の考えを否定する根拠を探さなければならないからです。

 

だからこそ一人で解決しようとするのではなく、色んな人の頭を借りディスカッションを通して、バイアスを取り除いていければとても素敵だなと思います。

 

僕も地道に頑張るので一緒に臨床頑張っていきましょう!(^^)!

 

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