新人セラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)とリハビリ学生を応援するためのブログ

「こころ」を見れるセラピストになるために・・・

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はじめに

私達セラピストは患者様に対して「リハビリテーション」を提供しますが、その際ただ単に「運動療法」のみを行っているわけではありませんよね。

運動療法を提供する前に

セラピストと患者

という場合においては必ず、信頼関係というものを築かなければなりません。

仮に患者様が担当セラピストに対して「信用できない」といった不信感を持った状態でいると、当たり前ですがお互いが同じ目標に向かって訓練していくというのは少し無理がありますし、患者様にとっては嫌いなセラピストと一緒にリハビリを行うことはきっと苦痛でたまらないと思います。

ですので、私達セラピストはただ「治療スキル」を持っていれば良いというわけではなく、患者様との人間関係の形成していく上でのコミュニケーションスキルも磨いていかなければなりません。

不安やうつにどう関わるのか

私達は時として、患者様の精神的・心理的に心に病を持っている方のデリケートな部分にも関わっていかなければならない時ってあるのではないでしょうか?

というのは、特に入院患者様であれば、つい先日までは元気に自分の好きな趣味や、仕事、家庭での自分の役割などを当たり前のように送ってきた方が多いです。

しかしある日突然脳卒中によって入院することになり、意識が戻ると半身が動かない自分になっている。

もしくは、重度な整形疾患なためにドクターから手術を宣告され、入院を余儀なくされる。

このような状況に急に陥ってしまった患者様の心理的負荷というのはきっと、私達が想像するよりも遥かに大きいのではないかと思うんです。

さらに、追い打ちをかける様に入院中というのは嫌でも自分と向き合うことになります。

「一人の時間が圧倒的に多い」からです。

こういった時間を利用して

「こうなってしまってはしょうがない。リハビリ頑張って良くなろう!」

とポジティブに変えられる人は良いですが、大半は

・私の身体はこれから治るんだろうか・・・
・これから先どんな人生を送っていけばよいのだろうか・・・
・何でこんなことになってしまったんだろう・・・

などなど、自分の未来への不安や恐怖を感じる人が多いです。

そして

「先生、私はこれから先どうなるでしょうか?・・・」
「私の身体は治るんでしょうか?・・・」
「この痛みは消えるんでしょうか?・・・」

といったように、このような相談をされた方もきっと中にはおられるのではないでしょうか?

こういったときに、私達は一体どのような対応をすればよいのでしょうか?

「精神的な部分だからOTさんお願いします。」という縦割りな考えで果たして良いのでしょうか?

心と機能回復の関係

ただ、そんなことを言っている僕も1年目の最初の頃は、こういった患者様の心の病に関わることに対してあまり深く考えていませんでした。

というのも

「患者さんの悩みがあっても自分の技術を磨けば変えることが出来る」

と思っていたからです。

だからこんな不安なんてリハビリしていけばなくなっていくだろう。

なんて今思えばかなり傲慢な考えをしていました。

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しかし、なかなか患者様の不安ってすぐは消えないもので、むしろ退院が近づくにつれてさらに強くなる人だっています。

また大前提として、こういったメンタリズムになっている患者様が果たして積極的にリハに取り組むことが出来るのだろうか?

と思ったのです。

例えば、私達でも仮に何か大きな不安があった場合、やらなければならないことがあっても100%集中して取り組むことが出来ないと思います。

それと同じように、患者様自身も将来への不安とか、過去の元気だったころの自分と今の自分を比べた時のギャップに対して無力感を感じてうつ傾向になっていると、意欲的にリハに取り組む事ができないのは当たり前だろうと思うのです。

僕は、機能回復を行っていく上で最も大事なモノの一つとして

「患者様自身の能動性」「指向性」といったものが必要であると考えていますが

不安うつ状態な人に積極的に取り組みなさいといったて

私達でも積極的に取り組めないように、患者様もきっと同じだと思うんです。

性格のせいだと簡単に割り切らない

リハに消極的な人がいたとして

「あの人全然取り組んでくれない」

「もともと活動的な人じゃないそうだよ」

「とりあえず、離床の促しから始めようか」

こういった場合によくあるのが、患者様の性格や、脳血管疾患であれば高次脳機能障害などの影響を挙げますが、果たして本当にそうでしょうか?

こういった性格や病態のせいにするのは凄く簡単ですが、それでは患者様が感じている本質を案外見過ごしているのではないかと僕は思うんです。

さらに、これらのせいにしておけば私達が

「どうやって能動性を引き出すか」

「何をすれば積極的に取り組んでくれるか」

といったようなことで悩む必要もありません。

これってすごく楽なことなんですが、でもそれだとこういった患者様はいつ救われるのでしょうか?

精神はOTや精神科がすることでしょ?なんて

人の心の問題を機械的に役職で区切って解決なんて出来るのでしょうか?

PTでもOTでも、共通することは“人と関わっているんです”

人と関わるということは身体だけでなくと関わっているんです。

だから

「PTだから身体機能だけ診れればよい。」

という存在価値ではあまりにも傲慢すぎると今は思っています。

だからこそ僕はいま「心理学」というものをすごく大切に感じています。

おわりに

PTである前に、僕は一人の人間であるから。

そして対象の患者様も人間であるから。

人と人の関わりがある以上、人の心を理解しない事には相手の意欲を引き出すことは難しいのではないだろうか。

患者様が積極的にリハを行ってくれない。

この原因は患者様の性格や病態である。

と短絡的に結論を出さずに

何か自分にはできることはないのだろうか。と少しでもいいから、自分の心にメスを入れて考えること。

考える努力をすること。

こういったことができるセラピストでありたいと、僕は思っています。

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