こんにちわ!きんたろーブログ(@kintaroblog)です!(^^)!
臨床で、「~筋の筋力低下」という問題点の立て方。よく拝見しませんか?
仮に例えば~筋の筋力が低下した場合・・・
それでも人は歩いたリ、何かの行為は行わなければなりませんよね?
そういった場合、ある特定の筋機能は障害されているため元の行為を行うためには、当然ですがその機能障害を生じた筋に対する代償補正を行ってくれる筋というものが存在しなければなりません。
逆に言えば、何らかの障害を持たれている患者様を診た時にやたらと強い張力を発揮している筋があった場合、その筋は代償補正を行っている可能性があり、その代償補正を行っている筋と強いつながりをもつ筋は機能障害が起きている可能性がある。
あくまでこれは仮説ですが、そんな考え方もできます。
今回は歩行における、各筋機能の繋がりという観点から筋間の関係性を書いていこうと思います。
歩行における筋間の機能的な繋がり
komuraの研究において
43筋を装備した筋骨格モデルを使って歩行の際に、単一の筋機能を低下させた場合、その他の筋にどのような影響が及びまた代償が生じているかを分析した研究があります。
代表例を見ていきましょう
・大殿筋の筋機能が低下した場合
代償を行った筋は“ハムストリングス” “広筋群” “中殿筋”であったとされています。
大殿筋と広筋群というのは運動学的なつながりは持っていません。
しかし、これらの筋の関係性を見てみると、どちらか一方の機能が低下すると、どちらかが補正するような関係性になっています。
つまり、このことから言える事実として、少なくとも歩行中においてはこの両者の筋間には機能的なつながりがあると言えるのではないでしょうか。
またこれは逆の事もいえ、仮に広筋群が機能低下を生じた場合には大殿筋が代償するといったことも事実としてあげられます。
ではこの両者の機能的な役割とな何なのか。
それは、歩行中における股関節と膝関節の抗重力伸展活動を促す役割を持っています。
つまり歩行のフェーズとしては最も重力に対して抗する立脚初期~中期にかけて、この両者の機能的つながりは必要になるのです。
・腸腰筋の筋機能が低下した場合
代償を行った筋は“腓腹筋””大腿直筋””小殿筋”とされています。
中でも腓腹筋においては、腸腰筋とは解剖学的に見れば遠い位置関係にあり、なおかつ共同で作用する筋でもありませんが、歩行という場面設定の中では、機能的につながりが高い筋関係となっているようです。
特に、この筋関係は歩行時の下肢の振り出しの際に協調関係を示します。
というのは立脚中期以降、股関節は伸展していきますが、その際股関節の前方に付着している腸腰筋は遠心性収縮を行います。
そのため、その際の腸腰筋はバネのように伸張することでパワーを溜めている状態となっています。
やがて遊脚期に入ると、今まで伸張されていた腸腰筋は弾性性質を利用してゴムのように一瞬で収縮することによって、下肢の振り出しが行われます。
またその時、足関節が底屈し地面を蹴りだすことによって下肢の振り出しをさらに助長するような形となるのです。
その足関節の底屈を担っているのが腓腹筋であり、このことから腸腰筋と腓腹筋は歩行中の下肢の振り出しという側面において機能的につながりが深いわけです。
そのため、一方の筋機能が低下した場合は、もう一方が代償しなければ下肢の振り出しが円滑に行われないのです。
動作分析臨床活用講座~バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践~ 石井慎一郎 より引用
以上のように、歩行における筋間の機能的なつながりというのは強く存在していて、これらを知っておくことで、仮説の引き出しが多くなっていくのではないかと思います。