新人セラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)とリハビリ学生を応援するためのブログ

「重いっ・・・」の実態を探る~重量感覚のメカニズム~

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こんにちわ!きんたろーブログ(@kintaroblog)です!(^^)!

 

早速ですが、よく臨床の中でこういった言葉を聞くことってないですか??

 

「歩くと何だか足が重く感じます・・・」

そう!

「重さ」を訴える患者様。

 

僕は臨床中しょっちゅう聞くんですが、その時どうするか・・・

 

「あら、何ででしょうかね。・・・ちょっと・・・見てみましょうか・・・。」

 

はい。(笑)

本当にお恥ずかしいのですが、、、フリーズしちゃうんです。

 

もちろん、それではいけないので自分なりに、その中で思考錯誤はするんですが・・・

 

やっぱり難しい(><)

 

さらに『重さ感覚』というのは、「はい。これが重さです。」なんて出てきてくれないし、実態がないだけにさらに難しさに拍車を掛けているような気がします。

 

この『重さ』に関する議論、実は他のセラピストの方としたりするんですがやっぱり皆さんも同様の悩みを持っており

 

「結局分からなくてとりあえずマッサージみたいになっちゃうんだよね・・・」

と言われる方もいました。

 

このように、結構な人が『重さ』に関して無力感を抱いており悩みを持っていました。

 

そこで今回は

 

『重たさって何なのよ!!!』

 

というのをテーマにして、『重たい』のメカニズムを書いていこうと思います!(語彙力)

『重さ』のメカニズム

McCloskey(マクロスキー)の研究

マクロスキーは神経心理学者で今回のテーマである『重量感覚』の研究に一生をささげた人物だそうです。

彼は、この『重さの感覚』において重要と述べているのが”遠心性成分”です。

 

遠心性成分・・・?

何じゃそりゃ・・・

となるかもしれませんので説明します。

 

遠心性成分というのは、実はこれまで当ブログで何度も出てきた『遠心性コピー』です。

つまり大脳中枢からの運動指令の事ですね。

 

この事実から分かる大事なこと。

それは、「重たい」と聞けば先ほど

「マッサージをしてしまう」

と言っていた方のように、なんとなく末梢組織に目が向きがちです。

 

ですが、遠心性コピーが大事であるということは、こうした末梢部だけに限らず、中枢部からトップダウンに何かしらアプローチをかけることが出来る可能性が広がるわけです。

遠心性コピーと重さの関係

結論からいいますと・・・

 

私達が「あー。身体重いなあ。」と感じるときや、何かモノを持った時に「おもっ!」と感じるのは、いずれも筋肉を使うために中枢から出される指令、つまり主観的な努力感のわりに、それに見合った筋などの末梢から大脳にFeedbackされる情報量が足りず、両者の間にアンバランスが生じると『重い』と感じるそうです。

 

つまり、中枢神経系による指令とそれに見合った末梢神経系からのFeedbackに不一致が起こることで『重量感』は決定されるのです。

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これをcomparator modelで説明するともうちょっとわかりやすくなるかと思います。

 

少し復習になるのですが、説明していきますね。

 

上図の遠心性コピーに当たる部分は『運動の予測』です。

 

そして随伴発射というのは「これくらいの運動を行ったらこれくらいの感覚が返ってくるだろう」というような『運動によって帰結してくる感覚Feedbackの予測』になります。

 

そしてその予測に対して、『実際の体性感覚Feedback』が統合されるのですが、この時に予測と実際の感覚feedbackが一致していれば私達は「何も感じない。」つまり意識に上らないわけです。

 

ですが、この統合の際に不一致が生じるとその『誤差情報』が意識化され

「あ。おもっ」

と感じるわけです。

 

以前お話しした運動主体感の喪失はこの統合に不一致が生じ続けることで引き起こされると言われています。

 

『重たい』を訴える患者さん

臨床においては、整形外科疾患・中枢疾患問わずこの『重さの変容』というのが往々にして存在しています。

 

例えば、整形外科疾患の患者様が術後、筋力低下や筋委縮をきたしている場合、筋力を増強しようと眉間にしわを寄せ一生懸命行っている場面を見かけます。

 

この場合、先ほど述べたメカニズムから考えると

患者様は筋肉をつけたいので『力を出そうとする意志(運動指令)』は努力的になり、それに伴い随伴発射は比例して大きなものになっていきます。

 

しかし実際の筋力低下をきたしている部位はその患者様の努力感に見合った筋収縮が得られない、もしくは筋量がそもそも担保されていないために帰結する感覚Feedbackは、予測していたものと不一致が生じることが考えられ、その結果『重さの知覚の変容』が現象として出現しても納得できます。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか??

 

以上が『重たさ』の神経学的なメカニズムになります。

 

こうしてみると、『重たさ』というのは実態が見えないので難しいものではありますがメカニズムをきちんと理解できていれば改善する方法論として

 

①中枢からトップダウンに患者様の努力感を減らすような媒体やイメージなどの訓練を行う。

②末梢から帰結する感覚Feedbackが弱いので、何らかの方法で筋からの感覚Feedbackを向上させるような媒体や技術を用いる。

 

などといったものが案としては提案できるかと思います。

 

そして、これらのメカニズムを考慮した上で、自分が行っている手技や技術がどの効果を高める事が果たして出来るかを考えアプローチが行えると個人的にはすごく素敵だなと思っています。

 

もし、分かりにくいところや質問などありましたらお気軽にコメントや直接メールを送っていただけたら幸いです。

沢山のご意見お待ちしております。

メールアドレス:tokyuryo@iCloud.com

 

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