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【疼痛の理学療法】『痛み』の評価~感覚・情動・認知的側面の評価一覧~

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こんにちわ!きんたろーブログ(@kintaroblog)です!(^^)!

 

前回、痛みのリハビリテーションにおける『身体活動』に絞った評価をご紹介しました。

☆合わせて読みたい☆

【疼痛の理学療法】痛みの評価~疾患特異的な身体活動の評価一覧~

 

今日は、痛みの3つの側面である『感覚』『情動』『認知』にフォーカスしてそれぞれどのような評価ツールがあるのかをご紹介していきます。

『痛み』における3つの側面の評価

感覚的側面

【痛みの強度】

①視覚的アナログスケール(VAS)

・100㎜の線上で痛みの強度を教えてもらう

・『痛みが全くない』状態を0㎜、『今まで経験した中で最も痛く耐えられない痛み』を100㎜として、現在の痛みの程度を100㎜の線上に指さしてもらう

・検者は、指さした線上の数値を読み取り痛みの程度を確認する

②数値評価スケール(NRS)

・痛みの強度を0~10の数値で表記または口頭で回答してもらう

・今まで経験した最高の痛みを10として現在の痛みとを比較する

 

【痛みの性質】

①SF-MPQ2

・痛みの性質を評価する評価ツール

・痛みの種類を4つ(持続的・間欠的・神経障害性・感情的)に分類している

・全22問、0~10段階で評価する

SF-MPQ2に関して詳しく書いている記事はこちら

【疼痛の理学療法】『痛み』の質を評価する~マクギル疼痛質問表~

 

情動的側面(不安・抑うつ)

①Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)

・『不安』と『抑うつ』の評価スケール

・14項目(不安尺度7項目・抑うつ尺度7項目)の質問から構成される自己記入式の評価尺度である

・各項目4段階(0:全く良好~3:極めて悪い)で回答し、得点が高いほど不安と抑うつが強いことを示す

【結果内訳】

0~7点:negative(不安または抑うつなし)

8~10点:doubtful(疑いあり)

11~21点:definite(確定)

 

②State-Trait Anxiety Inventory(STAI)

・不安は大きく『状態不安』『特性不安』の二種類に分けられる

『状態不安(A-State)』:特定の場面で一過性に感じられる不安

『特性不安(A-Trait)』:状況に左右されない長期的に感じている不安(不安に陥りやすい性格)

➪STAIは『状態不安』と『特性不安』の両方が測定できる。

・『状態不安』『特性不安』とも各20問ずつで計40問からなる。

・各問い全て4段階評価となっており、合計は80点満点換算となる。(点数が大きい程不安が強いことを示す)

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【カットオフ値】

『特性不安』:男性44点/女性45点

『状態不安』:男性41点/女性42点

 

認知的側面(痛みに対する捉え方)

①Pain Catastrophizing Scale(PCS)➪破局的思考

・3因子(反芻・無力感・拡大視)13項目で構成されている。

※3因子内訳※数字は問いの番号

『反芻』:1.8.9.10.11

『無力感』:2.3.4.5.12

『拡大視』:6.713

✅慢性疼痛患者のPCS得点は、健常者に比べ合計点も下位尺度(反芻・無力感・拡大視)でも高い値を示すことが分かっている

✅『身体的な機能障害』と『破局的思考』、どちらが生活障害への影響が強いか調べた研究では、破局的思考の影響の方が強いことが報告されている(Severeijns.2001)

✅TKA後患者においてPCS総得点が16以上になると慢性痛に陥りやすい(Riddle.2010)

✅破局的思考の傾向の強さと痛みの強度には関連性がある(Sullivan.2001)

☆破局的思考とは☆

『破局的思考の評価~pain catastrophizing Scale(PCS)』~

※補足※

✅PCS(無力感)とHADS(抑うつ)は関連する(iwaki.2012)

✅PCS(拡大視)とHADS(不安)は関連する(iwaki.2012)

 

②Tampa Scale for Kinesiophobia(TSK)➪運動恐怖感

・運動に対する恐怖感を評価

・17項目4段階(少しもそう思わない・そう思わない・そう思う・強くそう思う)

・最低点が17点、最高が68点となっており、高値になるほど運動恐怖が強いことを示す

【カットオフ値】:37点

※運動恐怖と慢性腰痛の関連性の研究※

非特異的慢性腰痛患者(142名)のTSKを評価したところ…

➪平均点が45点とカットオフを超えていた

さらに、疼痛強度の評価であるであるVAS、腰痛患者の日常生活活動を評価するODIとの得点も高く相関がみられた。

➪つまり、運動恐怖は痛みの強度日常生活に影響を及ぼす可能性が高い。

※補足※

✅PCS・TSKのスコアが高い被験者ほど疼痛閾値が低い(Parr.2012)

 

③Pain Self-efficacy Questionnaire(PSEQ)➪自己効力感

自己効力感とは…

“適切な行動をうまくできるという個人的な確信(Bandura.1977)”

とされている。

・自己効力感が高い程痛みの強度が低く、慢性疼痛患者では自己効力感が低下していている(松原.2018)

・60点満点で評価

【内訳】

41点以上:自己効力感が高い

20点未満:自己効力感が低い

※補足※

✅PSEQとPDAS・PCSには負の相関関係がある(Skou.2016)

➪自己効力感が低いほど抑うつや痛みに対する破局的思考が強い

 

おまけ

Modified Fall Efficasy Scale(MFES)

・MFESは日常生活における自己効力感を評価することが可能なツール(日常生活を行う自信を評価)

※PSEQは『痛み』に対する自己効力感を評価(痛みがあっても活動できるかどうか)

 

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