こんばんわ!きんたろーブログです(^^)
今日もよろしくお願いします(^^)
皆さんには、大切な人はいますか?
家族、友人、恋人……。
どんな人でも、一人は思い浮かぶと思います。その人のことを、できるだけリアルに思い出してみてください。
目を閉じて、その人との思い出を出来るだけリアルに思い出してみてください。
・・・・・・
そんなあなたに一つのお願いです。
思い浮かべてください。
あなたの大切な人がある日突然、脳卒中になってしまったら?
身体の半身が動かせず、言葉も自由に発することが出来ず、人格さえも変化してしまったら?
これは、『脳卒中患者だった理学療法士が伝えたい、本当のこと』の著者である小林純也先生が著書の冒頭で述べられていた言葉です。
実は、小林先生は若い頃に自身が脳梗塞を経験されており、その体験を通して理学療法士を目指されたそうです。
今日は、小林先生の体験記から脳卒中のホントというテーマで書いていこうと思います。
脳卒中のホント
感覚障害ってどんな感じ?
少し突っ込んだお話をすると、小林先生の脳梗塞の部位というのが『視床穿通動脈』と言われる血管で、いわゆる視床を栄養している血管です。
養成校で勉強されている学生の皆様やセラピストの皆様はご存知だと思いますが、視床はヒトの感覚情報を大脳皮質に立ち上げる大事な中継点としての役割があります。
小林先生はこの血管に梗塞が生じたため、身体の半身の感覚がなくなってしまったのです。
目で見た自分の右腕は、自分のものじゃなかった。左手で触ってみても、つねってみても、感じるはずの感覚はない。
ただの肉の塊。
目で見る分にはわかる。目を閉じるとなくなる。
そんな状態になると、面白いことが起こる。
明らかにつながっている自分の身体が、繋がっていないように感じるのだ。
どこまでが自分の身体で、どこからがベッドなのか。境界が分からなかった。
脳卒中後、感覚障害を呈している患者様ってきっとこんな感覚なんだろうと思うんです。
自分の身体とベッドの境目が分からないってそんな恐ろしいことってあるでしょうか。
昨日まで元気そのものだった自分の身体が急に動かなくなる。感じなくなる。
それが脳卒中なのかと思います。
脳卒中後の自殺願望
小林先生が脳梗塞を発症したのは23歳の時。
発症以前は『プロボクサー』になることが目標で、発症直前にはプロテストが控えていました。
そんな矢先に、脳梗塞になってしまったのです。
入院して、徐々に自分の身体状況が分かってきた小林先生。
その後、次に襲ってきたのが“精神的苦痛”です。
小林先生は、半身が動かないという現実や言葉が上手に喋れないという現実に耐え切れなかったそうです。
そこで考えていたのが・・・
『どんな死に方が理想か』
だったそうです。
自由がなくなった自分は、パラシュートを着けずにスカイダイビングをしたら、最高に自由を感じれるんじゃないか。
今考えると馬鹿げた話だが、当時は真剣に考えていた。
現在、僕や皆さんが毎日関わらせていただく脳卒中の患者様もきっと、このような思いを抱えられている人って沢山いるんじゃないでしょうか。
僕らは脳卒中になったことがないから。
だから、100%寄り添うことって凄く難しいことかもしれません。
だからこそ、実際に脳卒中を経験した方の言葉は深い。
どんな有名な脳卒中に関わるセラピストの言葉よりも深く、そして重い。
あなたや大切な人が、もし脳卒中になってしまったら。
あなたや大切な人は何を思うでしょうか。
脳梗塞を経験した今
現在、小林先生は理学療法士として、回復期病院で勤務されています。
以前、小林先生の講演に参加させていただいた時、約二時間講演の間、一度も座ることなく革靴を履いて立ったまま講演をしてくださいました。
そして講演の後、食事に行かせていただいた時も、二階の席に向かう途中手すりも使わず、すごくスムーズに上られていました。
そんな小林先生が回復を実感してきたのは、発症後6カ月以降との事。
一般的にプラトーになると言われている6ヶ月以降に、片麻痺が回復してきたそうです。
『回復に期限なんてない。』
患者様もそれを希望にしているし、僕もそれを希望に日々勉強しています。
おわりに
脳卒中に限らず、様々な疾患を抱えた患者さまと向き合うとき、あなたはどのように考えて関わっていますか?
目の前にいる患者様は、僕らが考えているよりも遥かに大きな悩みや苦悩を抱えていることがあります。
そういった方々を少しでも理解出来るよう、実際に病気を経験された方のお話しを聞いてみるというのはすごく貴重な経験でした。
小林先生本当にありがとうございました。
※今回ブログの中で引用させていただいた著書です。凄くリアルで、考えさせられる1冊です。是非一度読んでみてください(^^)