新人セラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)とリハビリ学生を応援するためのブログ

【分かりやすい診療報酬制度①】あなたのリハビリの値段っていくら?

スポンサーリンク
きんたろー
こんにちわ!きんたろーブログです

 

さて、いきなりですが2020年というのはセラピストの皆さんにも関わりのあるとても重要なイベントがあります。

 

それは一体何でしょうか。

 

そう、診療報酬の改訂です。

 

もう既に、詳細は決定しており厚生労働省のサイトから内容を確認できるので、興味ある方は一度ご覧になってみてください。

 

…いや。興味がなくても出来れば、せめて僕らの職域であるリハ関連の改正部分について必ず一度は目を通しておいた方が良いです。

 

とはいえ、診療報酬改定に関する内容の文言を見ると、言葉が堅苦しくて理解しにくかったりする部分も多少あるのではないかと思います。

 

そこで、今回から少し連載で『診療報酬』についてできる限り分かりやすくお伝えしていきます。

 

今後自分たちがどのように立ち回っていくかを考えるためには、まずは決められている制度や仕組みを理解することがとても大事になってきます。

 

第一回目の今回は『疾患別リハビリテーション』という切り口で自分たちが日頃提供しているリハビリテーションの価値を考えてみようと思います。

分かりやすい診療報酬制度①

そもそも診療報酬とは?

PT
すいません。診療報酬について教えてくれるのはありがたいのですが…僕そもそも診療報酬自体が一体何なのか分からないんですが‥

 

先生
そうじゃな。では、まず診療報酬の中身を具体的に話していく前に、そもそも診療報酬って何なのかという部分を説明しようかの

 

診療報酬とは、ざっくりいうと「この医療サービス(治療や検査など)はいくらなのか?」ということを表しています。

 

例えば、皆さんが洋服を購入したり食事をする時それらには必ず値段がついていますよね?

 

実は医療現場にもこれと同様の仕組みが存在しています。

 

というのは、一口に医療といってもその中には沢山の種類があります。

 

僕らが属している『リハビリテーション』をはじめ、MRIやCTといった『検査』、お医者さんによる『手術』も当然医療サービスの一部なわけです。

 

とすると、同じ医療だからといってこれらが全て同じ値段するなんてことはあり得ません。

 

一般的な買い物のように、商品が違えば値段が変わるのと一緒で、医療分野における各サービスもそれぞれ異なる金額設定になっています。

 

では、この金額はどうやって決められるのか?

 

それが“診療報酬制度”です。

 

つまり、診療報酬というのは多岐にわたる医療サービス一つ一つが一体何円なのかというのを2年に1度、国(中央社会保険医療協議会:中医協)が見直しを行っているのです。

 

リハ専門職の人がリハビリテーションの診療報酬を知らないということは、八百屋さんが自分で売っている野菜の値段を把握していないというのと同じです。

疾患別リハビリテーションにおける診療報酬

『疾患別リハビリテーション』とは

 

昔のリハビリテーションの報酬制度は主に実施時間に基いて決められていましたが、平成18年(2006年)の診療報酬改定によって、『疾患別リハビリテーション』という仕組みが生まれました。

 

これは、その名の通り疾患別にリハビリテーション料を算定することで、対象となる疾患は以下のようなものが挙げられます。

 

・脳血管疾患等
・心大血管疾患
・運動器疾患
・呼吸器疾患
・廃用症候群

 

上記に該当する疾患においては、皆さんご存知の『20分1単位』というくくりで算定できるようになっていて、かつ1単位ごとに点数が定められていています。(今回は3疾患を抜粋)

 

ちなみに、この疾患別リハビリテーションは各疾患別に上限日数が決められていて、それを超えると記載されている点数での算定は原則不可能になります。

例)脳血管疾患等であれば180日

 

 

PT
ん?項目『Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ』ごとに点数が違いますけど、これってどういうことですか?

 

先生
これは、施設基準というものじゃ。例えば、脳血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)と脳血管疾患リハビリテーション料(Ⅱ)では、(Ⅰ)の方が点数が高いので、それだけ沢山の利益を生むことができるんじゃ

 

PT
では、この施設基準は何によって決められるんですか?

 

施設基準(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)の決定は、『リハ室の面積』や『常勤するセラピストの数』、また『専任医師の存在』などこれ以外にも様々な規定があり、それを満たしているかどうかによって決まります。

 

リハビリの期限とそれを超えた場合

 

PT
先ほど、算定には上限日数があると言っていましたが、仮に脳血管疾患の方で180日を超えてリハビリテーションを行いたい場合はどうなるんだろう…もう受けられなくなるんだろうか…

 

 

結論からいうと、これはyesでもありNoでもあります。

 

これについてはちょっとややこしいので、これから説明していきます。

 

まず、算定日数を超えてしまった場合は『維持期(生活期)リハビリテーション』という括りで、以下に示す点数でリハビリを実施することが出来ます。

 

ただ、この場合一ヶ月に行える単位数には上限が設けらており、それがひと月13単位までです。

 

なので、おおよそ1単位のリハビリを週3回ほど実施できます。

 

ところが…

 

昨年(2019年)からこの制度に大きな変化が見られました。

 

要支援・要介護者の維持期リハビリテーションの廃止(2019年4月~)

 

昨年(2019年4月)から算定日数の上限を超え、かつ要介護認定を受けている被保険者に対して疾患別の維持期(生活期)リハビリテーション料、つまり月13単位が廃止されることになりました。

 

※要介護認定を受けていない人であれば算定日数を超えてもこれまで同様ひと月13単位までリハビリの実施が可能

 

これは何を意味するかというと、医療保険で行っていた“要支援・要介護者の維持期リハビリテーションを介護保険のサービスへ”という流れになってきていることです。

 

これにより、昨年は多くの外来患者様がリハビリを卒業し、介護保険サービスによるリハビリへ変更を余儀なくされた人が多数出てきました。

疾患別リハビリテーションの“1単位”はいくら?

 

実は、今回僕が最も伝えたかったのはこの部分です。

 

それでは、1つ皆さんに質問です。

 

ここまで診療報酬における各疾患別の点数をお伝えしましたが…

 

診療報酬における点数のうち“1点”は金額にすると一体いくらでしょうか?

 

1点=10円

 

とされています。

 

具体例を出して考えてみましょう。

 

例えば、あなたは脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)を取っている病院の理学療法士だとします。

 

とすると、あなたが理学療法として患者様に提供している1単位はいくらになるでしょうか?

 

245点×10円で、およそ2450円です。

 

ただ、多くの回復期病院だと恐らく一回の介入で3単位(1時間)行っていると思うので、その場合あなたが患者様に提供しているリハビリテーションの価値は金額にすると7350円になります。

 

もちろん、医療保険によって患者様がこの価格を手出しすることはありません。

 

しかし、ここで考えなければならない事。

 

それは、あなたがいつも行っている一回のリハビリテーションには約2500円~7500円の価値が発生するという事実があることです。

 

私たちの職業って利益がそのまま報酬に換算される事が少ないので、お金に関してあまり考える機会がない業種ではないかと思います。

 

しかし、若いセラピストや学生の皆さんこそ、この事実は知っておく必要があるのではないかと僕は思っています。

 

なぜなら、最近リハ中に怠慢を働くセラピストが一定数存在している話をよく耳にするからです。

 

なぜこんなことが起きるのでしょうか。

 

原因は多岐にわたると思いますが、その一つとして僕が思っているのが、『自分自身の介入に目には見えないものの“金銭”が発生しているという自覚があまりにも薄い』からではないかと思っています。

 

これによりリハビリの質が低下するのは当然ですがもっと問題なのは、一生懸命やっているセラピストの介入も怠慢を働くセラピストの介入も全く同じ金銭的価値であるという事実です。

 

となると、自戒も含めて皆さんに問いたいのは、“自分が提供しているリハビリテーションは診療報酬によって決められた価値に見合うだけの臨床をしようとしていますか?”ということです。

 

毎度毎度プラットフォームの上で思考が停止し、同じことの繰り返しになっていないでしょうか。

 

診療報酬が改定する今年。

 

せっかくの機会なので、ここで一つ自分自身の臨床を少し振り返ってみてはいかがでしょうか?

 

僕もこの記事を書きながら自分自身にこの問いをぶつけています。

スポンサーリンク