『意欲』と『運動』の関連性を神経学的に紐解く

こんにちわ!きんたろーブログ(@kintaroblog)です!(^^)!

 

さて本日は→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

『運動機能に心がどれくらい影響するか!』

 

です!

 

なぜ、このテーマをチョイスしたのか・・・

 

PTの得意分野じゃないからです。

 

『こころ』に関する内容って意外とあまり触れていなくってどうしても筋・骨・関節などに目が向きがちな理学療法士。

 

そこで、今日は自分への自戒の念も込めて、一度私達PTの目指す方向性を再確認し、そして『こころ』と『運動』がどのような関連性をもっているか、神経学的な視点からお話していこうと思います。

目次

『こころ』と『運動』の繋がり

そもそもPTが目指すものって何?

まずはじめに。

 

現在リハビリテーションに携わる上で私達が目指すものって何でしょうか。

 

歩行の獲得…?QOLの向上…?ADLの向上…?

 

個人によって考え方など多少違う部分もあると思いますが

 

PTの定義でいうならそれは、「基本的動作能力の獲得」とされています。

 

しかし、もっと具体的に落とし込むとするのであれば、まずは基本動作を行うために必要な、『運動機能』の再獲得を行っていかなければなりません。

 

つまり、私達は『基本的動作能力』を再獲得するために必要な『運動機能の回復』を治療や訓練を通して行っていく必要がありそうです。

 

ただ、その運動機能の回復を図っていく上で私達の前に立ちはだかる壁って一体なんでしょうか?

 

僕はその壁として『機能障害(impairment)』『意欲・情動の低下』を考えています。

機能障害と意欲・情動の低下

まず、機能障害に関しては、私達の腕の見せ所と言えるところかもしれませんね。

 

解剖・運動・生理学など様々な学問をトータルで臨床に落とし込み、それらを元に臨床推論を行い、そして治療介入していく。

 

多くの人がこの部分にフォーカスを当て、毎週勉強会に行かれたりと日々研鑽されているのではないでしょうか。

 

ただ、そのように研鑽をしても必ず分からないところは出てきます。その場合は、その部分に詳しい先輩セラピストなどに聞くなどして、解決策を議論できるかもしれません。

 

このように機能障害(impairment)だけをとると、解決策を思考する選択はいくつもあり、言ったらこれはPTの得意分野ともいえるところかもしれません。

 

ただ・・・

 

厄介なのが『意欲・情動の低下』です。

 

正直、僕はいつもこの問題に悩まされていて、また他のセラピスト同士の会話の中でも

 

「意欲が低下している患者様にどのようなリハを展開していったらよいか分からない」

 

と悩んでいる方って意外と多いです。

 

『機能障害』と『意欲・情動の低下』

それぞれ、少なからず皆さん悩んだ経験が一度と言わずありませんか?

 

ただ、問題なのはここからで。

 

悩むことに関しては両者とも同様にあるにも関わらず、一つだけ大きく異なることが一点あります。

 

それが、

「機能障害についての悩みは解決策を思考するのに、意欲・情動の低下に関してはあまり思考することがない」

 

これは、完全に僕の主観であるため必ずしもそうであるとは言い切れませんが、セミナー開催の割合を見ても、機能障害由来の運動機能低下に対するHow toセミナーは多いのですが、意欲・情動低下に関連するセミナーって圧倒的に少ないです。

 

勿論、まず難しい問題であるということは大前提としてありますが・・・

 

ただ、こういった『こころ』の問題に関してなんとなく思考しなくなる。単純に『意欲低下』として扱ってしまう。

 

そんなことってないでしょうか?

 

僕はそのように感じることがあり、だからこそ本当は、その解決策の案をここで書きたい。

 

バシッと解決策を提案して、『こころ』の部分も診ていける、そんな有能記事を書きたいところです。

 

でもお恥ずかしい限りですが僕はその解決策が未だ分かりません。

 

だから、そういった提案が出来ないからこそ今は、僕にできる事を精一杯させて頂こうと思っています。

 

それがこちら↓↓↓

 

まず、そもそも!!

本当に、『こころ』と『運動』に関連があるのかよ!

といった根本的な疑問です。

 

一体どのような神経基盤により『こころ』と『運動』というのは繋がるのか。

 

今回は、この疑問に対して切り込んでいこうと思います。

※前置きが長くなってしまいすみません。

では、スタートです(^^)

意欲と運動の神経基盤

近年、意欲と身体運動を繋ぐ神経基盤について、意欲に関わる領域(意欲関連領域)である“側坐核”と運動に関わる領域(運動関連領域)である“大脳皮質運動野”との関連性が明確になってきているようです。

 

それを表した研究がこちら↓↓↓

Sawadaらの研究

彼らは、側坐核の神経活動・運動野の神経活動と麻痺した指の運動との因果関係を明らかにする研究を行いました。

 

どのように・・・??

 

脊髄損傷モデルのおサルさんの指先巧緻性運動が回復していく過程において、側坐核と運動野の活動を同時に記録していったのです。

 

結果・・・

 

『脊髄損傷後の回復初期において、側坐核から運動野へ神経活動の流れがあることが判明されました』

 

さーらーに!!!!!!!!!!

 

脊髄損傷前、回復初期、回復後期において、側坐核に薬を投入し人工的に不活性化させました。

 

するとどうなったのか・・・

 

回復初期には運動野が活動しなくなり、また回復し始めていた指の運動パフォーマンスが側坐核不活性化中になると再び悪化することが明らかになりました。

 

これらの知見から、脊髄損傷後の回復初期には側坐核が運動野の活動を作り出し、それにより指の運動を制御しているという因果関係を示しました。

『こころ』に関わる時代

以上が『こころ』と『運動』の関係ですか、ここでいう『こころ』とはあくまで“意欲”のことです。

 

まず事実として、やはり『意欲』を司る側坐核と『運動』を司る大脳皮質運動野は関連性がありそうです。

 

さあ、冒頭の話しに戻りますが、私達リハビリテーションセラピストの目指すところは対象者の運動機能の回復であると述べました。

 

そして、運動機能の回復のために一役買っているのが『意欲』。とするとです。

 

私達セラピストは、あらゆる治療技術を用いて機能障害(impairment)に対してアプローチをする事も大切ですが一方で、いかにして『対象者の意欲を高めるか』といった『こころ』を見ていくスキルも同時に必要となってくるのではないかと思っています。

 

凄く難しい問題ですし、これまでのPTといえば筋・骨・関節などの身体組織に対しての志向性が強かったですが、現代はどちらかというと鬱傾向な人が増えたり、痛みの問題に関しても最近は情動面などに注目が及んできています。

 

特に、入院中の患者様では365日リハという環境的要因からも、“自分でリハビリをしていく”というよりも、どちらかといえばセラピストに依存傾向で『やらされる感』というのがあるのではないかと思います。

 

大変難しい問題とは思いますが、私達理学療法士の働き方として、少しフォーカスする部分を広げて考えていかないといけない時代がきているのではないかと感じています。

 

※今回使用させて頂きました論文ですが、クリニカルニューロサイエンス10月号に掲載されている『精神状態と運動パフォーマンス 鈴木迪諒ら 』を引用させて頂きました。

是非一度ご覧になってみてください(^^)

 

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