【バイアスシリーズ②】確証バイアスによって都合の良い情報ばかり集めちゃう人へ

現在、シリーズでお伝えしている『臨床でよくありがちなバイアス』について。

前回は、その一つである『早まった一般化』について解説していきました。

今回はシリーズ2つ目、『確証バイアス』についてお話ししていこうと思います。

これはですね。

まぁーーーーーーーーーよくある。

リハビリテーションの現場において、本当に頻繁に見られるバイアスです。

おそらく最後までご覧になられた方の中にもきっとピンとくる人がいるんじゃないかと思います。

ぜひ、最後までご覧いただき自分自身の臨床を振り返るきっかけにして頂けたらと思います。

目次

【バイアスシリーズ②】確証バイアスによって都合の良い情報ばかり集めちゃう人へ

『確証バイアス』とは

確証バイアスとは、「自分に都合のいい情報だけを集め、それにより自己の先入観を補強するという思考」のことです。

要は、「結論ありきで情報を集めにかかる」そういうことですね。

ちょっと例を出すと…例えばあなたに好きな人がいたとして、あなたはその人の良いところがすごく沢山見える一方で、周囲からは「あの人はダメだよ」と猛反対される場面ってあったりしますが、これもある種の『確証バイアス』です。

つまり、自分はその異性が好きなので「好きなところしか見えない」ためにフラットにその人を見る事ができず、見方そのものが偏っている可能性があるわけですね。

もう一つ。

例えば、欲しいものを買うときなんかに最初からある程度「欲しい!」と思っているものって、買う前に色々検討すると思うんですが、その際「買う理由」を強化するために高評価のレビューを沢山見たり、その商品の良いところを探す旅に出ることってありませんか?

これは明らかに入手する情報に偏りがあるため『確証バイアス』にかかっている状態と言えます。

臨床場面でよくある『確証バイアス』

リハビリテーションの臨床において『確証バイアス』が強くかかっているパターンの時、大きく以下2つの行為のどちらか、もしくは両方を行っているケースが多いのではないかと僕は考えています。

確証バイアスの例
  1. 自分の推論を強化する論文ばかりを集めてしまう
  2. 自分の推論を強化する検査結果のみ集めてしまう

偉そうにこんなことを書きながら大変お恥ずかしいですが、正直僕もこれにハマってしまう時があります。

②はほとんどありませんが、①に関しては気づくと興味関心のある論文ばかり集めていることがあるので、これに関しては日々注意しなければならないなと感じています。

で、です。

「確証バイアスにかかった状態で臨床を進めるとどうなるか?」なんですが、これはほとんどの場合において…

「患者様に必要なリハビリではなく自分のやりたいリハビリまっしぐら状態」になります。

なぜなら、臨床推論自体が自分の好きなこと、もしくは得意なことに偏っているので当然患者様が抱える真の病態とは乖離しやすくなるからです。

『確証バイアス』に陥らないためにどうすべきか?

『確証バイアス』に陥った状態で臨床を展開しないようにするためにできること。

それは、自分の臨床に対して常に批判的吟味をすることです。

批判的吟味とは、自分自身の臨床を第三者の視点に立って評価する事であり要は平たくいうと、「自分の推論を客観的にちゃんと見直す癖つけてこ」という事ですね。

これ、言うのは簡単なんですが実際に実行しようとすると実はかなり大変なんです。

なぜなら、誰しも自分自身の推論が間違っているなんて思いたくないですし、仮にそこで「間違ってるかも…」と分かった時には、「もう一度ゼロから仮説を練り直さないといけないのか…」という、この思考プロセスをやり直すことに対してめちゃくちゃ負荷がかかるからです。

とにかくこれが嫌なので、みんな自分の推論を強化するような情報ばかりを集めてしまいがちなんですが、(繰り返しですが)これをやり続けると患者様の病態が歪みます。

そのため、しんどいけれども。

しんどいけれども、自分の臨床推論を疑うというのは全ての臨床家にとってとても大切な営みじゃないかと思います。

なお、自分1人だとどうしても批判的吟味ができないという人は、身近なメンバーと一緒に症例検討会などを行うことをお勧めします。

こうすることで、自分自身の臨床を定期的に見直す事ができるかと思います。

『確証バイアス』まとめ

それでは、本日のまとめに入ります。

本日のまとめ
  •  『確証バイアス』とは、自分に都合のいい情報だけを集め、それにより自己の先入観を補強する思考のことである。
  •  臨床において確証バイアスに陥っている時は、『自分の推論を強化する論文ばかりを集めてしまう』もしくは『自分の推論を強化する検査結果のみ集めてしまう』という行為をやりがち。
  •  『確証バイアス』に陥らないようにするためには、日々自分自身の臨床推論に対して批判的吟味をする癖を身につける。

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今回お伝えした、『バイアスシリーズ』に関しても2つの動画にて丁寧に解説を行っています。

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ちなみに、今回の『確証バイアス』についての話しは別の記事でも解説しているので、ご興味ある方はこちらの記事もご覧ください。

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