【これからは質問できるやつが強い】実習生や新人の頃にしか持ってない最強の武器

さて、皆さんに質問です。

中堅や古参療法士は持っていないが、実習生や新人療法士が持っている武器ってなんだと思いますか?

見方を変えると様々なものが挙がってくるとは思いますが、一つは『質問ができる権利』です。

一度は上司やバイザーから、「新人の頃は質問することが仕事だから…」的なニュアンスのことを言われたことがありませんか?

これは、本当にそうだと僕も思っていて。

誤解を招きそうなので最初に言っておくと、もちろん『質問する権利』自体は中堅だろうが古参だろうが全員もれなく持っています。

ただ、この権利って歳を重ねていくごとにある理由によって放棄する人が一定数出てきてしまうことがあって、加えて、新人さんや実習生の頃に行う“質問の威力”って中堅以降の人たちがするそれとは全くレベルが違うんですね。

具体的にいうと、実習生や新人療法士の頃に行う質問には組織そのものを動かすくらいの威力があったりするんですが、これが案外見落とされがちなんです。

そこで今回は、実習生や新人の頃にしかない最強の武器というテーマで、『質問が持つ力』についてお話ししていきたいと思います。

いまご覧になっている学生もしくは新人の皆さんの中で「質問したいけれど怒られそうで怖い…」だったり、「質問する勇気が出ない…」と感じている方はぜひ最後までご覧ください。

あなたが持ってるその武器半端じゃなく強力なの

目次

【これからは質問できるやつが強い】実習生や新人の頃にしか持ってない最強の武器

中堅以降の人たちで行われる質問の欠点

例えば、症例検討会やミーティングの時などに質疑応答の展開になると思うんですがその時よくあるのは、中堅以降の人たちが議論を繰り広げることです。

これは至って普通の光景なんですが、この中堅の人たち以降の議論って実は大きく欠けていることが一つだけあるんです。

それは、『分かった体で議論を進めちゃうこと』です。

要は、「それくらい言わなくても分かってるよね」という空気感が中堅以降の人たちの中にはほぼ確実にあります。

ただ、これだけなら別にいいんですが問題なのは仮にそういった前提がわからない人がいたとしても彼(彼女)らの中でその事について質問することってかなり難易度が高いんですね。

なぜならば、中堅以降の人たちにとって『当たり前っぽいことを聞く』という行為は「馬鹿だと思われたらどうしよう…」や「勉強不足だと思われたらどうしよう…」、「後輩から舐められたらどうしよう…」というマインドがそこそこなボリュームでつくられてしまっているからです。

くだらないプライドだなと言ってしまえばそれまでなんですが、多分人間ってこういうもんだと思うんです。

とはいえ、実は本当に質問しなきゃいけない大事な部分ってこの『分かった体で進んでいる議論の根幹部分』だったりするんです。

要は、なんとなく皆んなの中で共通認識として進んでいそうな言葉や理論こそ、草の根かき分けて突っ込んで行かないといけません。

例えば、『◯◯すれば筋肉が緩むから◯◯を治療として用いました』みたいな発表があった時に、中堅以降の人たちの中には、「◯◯をすれば筋肉が緩む理由なんてこうだからでしょ?」というロジック自体本当は曖昧なんだがそれを今更口に出せない。

その結果として分かった体で進んじゃう。みたいなことがあったりします。

組織の空気を変える質問ができるのは新人さんか実習生

だからこそ、ここで実習生や新人さんの出番なんです。

こういう曖昧な前提がふわっとした状態で議論が進んでいる時こそ、実習生や新人の皆さんが

実習生

あのー…なぜ、◯◯をすれば筋肉が緩むのでしょうか…?

みたいな質問をポンっと土俵に放り込むと。

それはそれはもう最高にその場が静まり返るでしょう。

もしかすると一瞬あなたは気まずい思いをするかもしれません。

でも安心してください。これは、みんな「痛いところ突かれた…」と凍りついているだけなので。

決してあなたのせいではありません。むしろグッジョブです。(もし僕がこの場にいたなら、その質問した方にご飯を奢ってあげたいくらい)

このね、「痛いところ突かれた感」が組織が強くなるには必要なんです。

なぜか?

それは、質問された側というのは今までなんとなく理解していたことも、新人さんや実習生の方から質問されたとなると、分かるように『説明しなければならない』というイベントが発生するからです。

よって、この質問された側の人は改めて勉強し直すきっかけになり、かつそれを周りで聞いていた中堅以降の人たちもドキッとして慌てて論文を読み始めたりします。

ね、一気に人が動くでしょ?

行動のチェンジは下からの突き上げが一番効果的

このように、実習生や新人の皆さんが行う質問って『普段勉強しない人たちをも動かすことができる=組織を変えることができる』という絶大な武器をもっているんです。

そして、この武器の威力は経験年数が若いほど、学生の時ほど威力が高いです。

他にも、「皆が当たり前のように行なっている、この方法は何のために実施しているのか?」とか、「どうして、この場合はこんな風に考えないといけないのか?」といったように、日頃特に何も考えず、ステレオタイプで意思決定している部分にもツッコミを入れてあげるととても良いと思います。

本質を突く質問って難しくない

よくこんな質問をいただくことがあります。

セラピスト

本質をついた質問をするためにはどうしたらいいでしょうか?

どうせ質問するなら、本質をついた問いを投げたいと考えがちですが、結論…

本質を突く質問ってそんなに難しいことじゃありません。

というより、それを考えまくると多分質問できません。ハードルが上がりすぎちゃうので。

本質を突く質問って要は、ここまで述べてきたように「本当は曖昧なんだけど、さぞ当たり前だよねこんなこと。みたいな空気感になっている部分を聞く」それだけです。

議論を積み木に例えると、議論の量自体はどんどん積み上がっていき、高くなればなるほど高度な意見が飛び交うが、実はその一番下の土台が脆弱でぐらぐらしている場合があります。

土台が脆ければ当然いつか倒れちゃうので、詰めるべきは積み木の上ではなく土台です。

基礎となる土台に対して質問を行い、解像度を高めていく機会を与えていくことで積み木そのものが安定するんです。

これだけで、組織にとって改善が必要な的のど真ん中を撃ち抜くことができます。 言い換えると「本質を突いている」という状況です。

質問を行うことで生じるリスクとその対策

最後に、「じゃあどんな風に質問したらいいか?」という話しをします。

理由は、質問すること自体はすごく重要でどんどんやったほうがいいんですが、その一方で質問の『仕方』によってはあなたの人間関係がぶっ壊れてしまうことがあるからです。

特に実習生や新人が質問を行うというシチュエーションではよく起こります。

要は、質問することで「生意気だなこいつ」と思われるリスクです。なんか、イメージ湧きませんか?

理想を言うとですよ?

本当は、漫画みたいにやや生意気な主人公が言葉を選ばずバサーっと組織を一刀両断するのがすごくスッキリするしかっこいいんですが、リアルな場面でこれをやっちゃうとほぼ確実に干されます。

なので、おすすめの質問の仕方は『問い詰める形』ではなく、はじめに「勉強不足で分からなかったのですが…」というように、無知で純粋な自分というポジションで質問することです。

「なんかしたたかで嫌だなぁ…」と思われるかもしれませんが、僕の経験上でごめんなさい。

絶対このスタンスの方がいいです

イメージは、コナンくんの「あれれ〜?」です。

逆に、中堅の人たちはこのポジションが立場上取りにくいです。(だからこそ、中堅以降の人たちが行う質問って問い詰める感じになりやすい)

無知で純粋な自分というポジションに立って質問すると、少なくとも生意気だというレッテルは貼られないし、かつ本当は知らなかったけど立場上聞けない中堅の人たちからしてみれば、こんなに助かることはありません。

まとめ

本日は、『実習生や新人の頃しか持っていない最強の武器』というテーマでお伝えしました。

質問することは少なからず不安を抱くかもしれませんが、若手のあなたが持っているその武器は“今”が最大の効果を発揮します。

その威力は組織を変えうる可能性があるほど強力なものなので、自分のためにも組織のためにもぜひ活用してもらえたらと思います。

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