姿勢の歪みが腰痛の原因なの?
それとも運動機能の障害が痛みを引き起こす?
痛みを「運動器障害」として捉えると、「当然だよね」と思われるかもしれません。しかし、実際の臨床現場では、「姿勢が悪くても筋力が低下していても痛みがないのはなぜ?」というケースにまーーよく遭遇します。
逆に、美しい姿勢を保っている人が慢性的な腰痛に悩まされることもあって、そう考えるとこの「身体の状態」と「痛み」の関係には、何か矛盾っぽさが感じられませんか?
では、そんな中で痛みを拗らせている要因は一体なんなのか。今回の記事では、その辺りを掘り下げていきたいと思います。
歪みは歪みでも腰痛に関連する歪み多分皆んなが思ってるやつと違う
マジな話し、姿勢神話って実際の臨床で役に立ってる?
「姿勢アライメントが崩れることこそ痛みの原因として最も可能性が高いものだ」
SNS(InstagramやTwitter)を見ているとこういう情報に溢れていますが、そういうお考えの皆さんに僕は問いたい。
姿勢綺麗になったら痛み良くなります?姿勢は同じなのに痛い日(タイミング)と痛くない日ってない?
でございます。
僕自身、そういう臨床にすごくぶち当たるというか、、、
なんなら、これは僕のスキルのせいかもしれませんが「姿勢が綺麗になったことで腰痛をはじめ痛みから解放されました」みたいなケースに過去一度も出会った事がないです。
逆に、姿勢アライメント的な話しでいくと明らかに「まずいぞその姿勢」という人ってすごく沢山見かけるんですが、もし「姿勢悪い・歪んでる=痛み」という方程式が揺るがない事実だとしたら、あの人たちは漏れなく全員腰痛持ちということになるんですが、これOKでいいですか?
という感じで、文章からお察しの通り僕自身は「姿勢が悪い=痛みが出る」というロジックをほぼほぼ信用していないでス。
理由は、推論が全部後出しジャンケンになるからです。
要は、腰が痛い人がいたとき、その人の姿勢がいわゆる綺麗なアライメントから少しでも逸脱していれば「姿勢アライメントが痛みの原因だ」と言えちゃうんですね。これが、後出しジャンケンだなと僕は思っています。
で、不思議なことに姿勢は悪いけれど痛みがなければ僕らセラピストは特に何も疑問を抱かない。
こういう世界観って見渡せばそこそこな頻度で遭遇します。
ただ、ここまでお話ししてきた内容は全て“僕の考え”に他ならず、逆に「姿勢の悪さと痛みは関連がない」ということの根拠を示しているわけではありません。
つまり、「それってあなたの感想ですよね」状態なわけです。
こんな風に著者の主張だけがまかり通ると、変にバイアスを生んだりして少しズルいなと思うので、ここからは根拠も織り交ぜながら解説していきたいと思います。
ちなみに、以前(↑)こちらの記事で「実際に姿勢アライメント的な話しが腰痛と関連してんのかいな」という内容を解説しているので、もしご興味あればこちらの記事も併せてご覧ください。
今回はより、繊細にと言いますか。
上記の記事は、過去の先行研究をまるっと集めて結論を述べたような内容ですが、今回はもっとビッタビタに臨床感が溢れ出るような研究を参考にしながら、この説(姿勢と痛み)について一つの結論を導き出したいと思います。
そして同時に、以下2点
- 物理的に身体が歪むから痛くなるのか?
- 物理的な身体ではなく“知覚する”身体が歪むから痛くなるのか?
この問いに対しても根拠を提示して結論を述べたいなと思います。
解明① 身体の歪みや運動障害があるから痛みが生じるのか?
物理的な身体に何かしら問題がある、つまり一般的にいう綺麗な姿勢アライメントから逸脱している状態が痛み(ここでは腰痛)と関連しているかどうかを調べるためには、すでに腰痛がある人だけを対象にしてもダメなんです。
ここで欲しいのは、「姿勢アライメントが正常とは言えないけれど腰痛を患っていない人」も併せて評価対象にしなければなりません。
そんな研究あるんかいな?
「あります。」
(有料論文だったけど…)
ここからは、その実際の研究事例をもとに姿勢アライメントの歪みと腰痛の関連性を丁寧に解説していきます。
もう、なんとなくで「姿勢アライメントが悪いから、歪んでるから腰痛がー」みたいなふわっとした推論をしなくても良くなるよう、一つずつ論理的にまとめていきますのでちょっと長いですが最後までついてきてくださいね。
続きは『はじまりのまち』で
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