こんにちわ!きんたろーブログ(@kintaroblog)です!(^^)!
あっという間に二月になり、今年度ももうすぐ終わろうとしています。
と、同時にPT・OT養成校の4年生又は3年生は国家試験に向けていよいよラストスパートといったところでしょうか。
さて、最近多くの養成校の先生方とお話しする機会があるのですが、その中で最も耳にすることがこちら。
生徒の勉強に対する興味・関心が低い
というのを、養成校の先生方は感じておられるようです。(もちろんすべての学校というわけではありませんが…)
というわけで今回、ちょっと僕なりにこの現状をどう捉え、そしてどのように打破していくか少し考えてみました。
理学療法養成校の学生はなぜ勉強に興味・関心が湧かないのか。
理学療法士を目指す動機に『理学療法士になりたい』がない。
多くの学生の声と養成校の先生方の声を拾い集めた結果、勉強に興味・関心が湧かない理由としてこのような要因が考えられました。
『理学療法士になりたい』がない。とはどういう意味なのか。
ここからは僕の憶測ですので、飛躍していたらご指摘ください。
いきなりですが、皆さんは「PTになろうと決めた理由」声に出して言えますか?
PTの養成校に入った理由は人それぞれ色々あると思いますが、『理学療法士になりたい』と思って入学した方ってどのくらいいらっしゃるでしょうか。
様々な理由がある中で、今回のテーマである『興味・関心が低い』という部分に目を向けた時に、一つこの入学した動機が関わってくるのではないかと考えています。
例を挙げるならば、例えばPTを目指した理由として
「親が医療職はこれから良いから、医療関係の職に就きなさい」
というような場合。
正直言わせていただくと、これは後期高齢化社会という現在の日本社会の側面だけをみて、医療がもっと良くなるのではないか(働きやすくなる)という認識の誤りです。
現実は全く逆です。
高齢者が増え、医療に多額のお金が投じられ始めた結果、その他の財源にお金が担保できなくなるという理由から、現在は医療保険が少しずつ削減され始めています。
またPTも昔の人数が少なかったころに比べて、現在は毎年多くのPTが生まれています。
➪医療保険は削減傾向なのにPTは増えていく。
となると、少なくなる財源の中で給与を増えていく人数分分配しないといけないから、ちょっと苦しそうだなという印象があります。
『医療職はこれから安心だ』という認識。
これは、情報リテラシーが低いことが根本的にはあります。
そして、そのような中で実際に数ある医療職の中からどの職を選択するかとなった時に
「医療職の中で、医者は勉強も難しいし6年間もかかるから無理。看護師は夜勤あるからいや。でも理学療法士は夜勤ないし、あとトレーナーみたいな職業なイメージだから僕はスポーツもしてたし医療職の中だとこれならいけそう。しかも最低3年で国家資格取れるなら一番マシじゃん!」
しかし、このような動機で入学し、最初に習う科目が解剖・運動・生理学といったマニアックな勉強内容という養成校。
ついていければ良いですが、動機と勉強内容のギャップについていけなくなると結果、興味・関心が冷めていく可能性があるんじゃないかと思っています。
じゃあどうすれば良いか。
この現状に対して最初に少し、非現実的な部分から先にお話しさせていただきます。
勉強に対する興味・関心を高くする打開案
理学療法士の免許取得までの履修期間を伸ばす
これは、勉強に対して興味関心がない方に対する打開案というよりも、そもそもPTになるための入り口を狭くして、よりPTになりたいと意欲の高い方のみPTになりませんか?といったような提案です。
具体的に、履修期間を伸ばすとはどういうことか。
先ほど非現実的とは言いましたが、この話しは割と最近耳にすることお話しです。
➪理学療法士養成校4年制制度
これは、現在最低3年で国家試験資格が与えられるPTですが、この3年生制度を4年制に引き上げようという内容です。
ただ、具体的にいつから始まって、現在三年制の学校はどうなるの?
などなど、対策は山ほどありますからすぐには出来ないと思いますが、今後もしかするとこのようになってくるかもしれません。
4年制制度になることで、『3年間だしすぐ取れるじゃん!』という安易な考えで入学する人は減っていくのかなと思います。
ちなみに余談ですが…
アメリカの理学療法士になるための履修期間ってご存知ですか?
最低7年間です。
アメリカの場合、PTは大学院を卒業し“博士号”を取得しないとPTにはなれません。
具体的には、まず普通の4年制大学を卒業後、『理学療法大学院』といわれるような、いわゆる“専門職大学院”に入学しなければなりません。
そして、卒業年度に国家試験を受けて合格すれば晴れて理学療法士になれるというわけです。
同じPTなのにこんなにも違いがあるんですね。
すみません余談でした。
では次。
興味・関心が低いのはもはや今の時代しょうがない。
全員が全員意識高い系なわけないし、むしろ最初から熱い思いでPTになりたいという人達の方がむしろ少なくなっているかもしれません。
だからこそ、じゃあこの現状を踏まえてどうするかを考えようってことを今からお話ししますね。
PTがもっと魅力を伝えましょうよ
色んな養成校の先生方やセラピストの方々にぶん殴られそうですが、批判を恐れずにちょっと書いてみます。
ざっくり結論を言うと、実際にPTになっている人や、養成校の教員の先生方が興味・関心を引くような授業や実習をしようぜという話。
授業で、機械のように淡々と教えられても、実習で手技・知識をひけらかされても正直1ミリも面白くありません。
そこにある感情はただただ『眠い』だけです。
勉強に興味・関心が低いと嘆くわりに、僕達セラピストは何か工夫をしてるでしょうか。
『興味・関心が低い』を学生に丸投げしてちゃ何も解決しないので。
自分達が出来ることは最大限本気出しましょうよ。
今のところ、YouTubeで『たま先生』や『働く細胞』を見た方がよっぽど勉強になるし面白いかなと感じてます(笑)
教育さえも『動画コンテンツ』にとって変えられるなんて寂しいので…
僕らも学生さんに対する教育を変えていきましょう!
勉強の順番を逆にしてみたらどうだろう…
PTになって思ったんですけど、PTになるとある不思議なことが起こるんです。
それは、『セミナー団体がバカ儲けする』ことです。
何が不思議なのか。
学生の頃なんて勉強をしたくなかった人が多いというのに、就職するとお金を払ってまで勉強し始めるんです。
以前、PTじゃない方からこんな事を言われました。
「理学療法士ってみんな勉強熱心すぎるよね。休みの日もお金出して勉強してるんでしょ?」
いや。そうなんです。
めちゃめちゃ勉強するんですPTって。
そこでちょっとリサーチしてみたんです。なぜ勉強会に行くのか。
すると、返答で多かったのが…
「患者さんのリハビリで困っているから」
といったような内容でした。
なぜ、学生の頃は勉強意欲が低いのに、就職したら自己投資してまで勉強をし始めるのか。
つまり、その違いは『臨床体験』の有無でした。
PTが就職して勉強を始める理由は、患者さんを通して“解剖学”や“運動学”といった基礎学問の“使いどころ”が分かり始めるから「学びたい」と思い勉強会に参加するようです。
実習生が、実習終了後にやたら意識高い系になって帰ってくるのと近い感じかもしれません。
では、これを踏まえて学生さんを見てみるとどうでしょうか。
臨床も見たことがない上に、全く想像もつかない特に養成校1年生が、いきなりマニアックな解剖・運動・生理学なんかを机上で教えられても、そりゃつまらないだろうなと…
解剖・運動・生理学の使い道が分からない
だとしたらです。🤔🤔🤔
この順番を逆もしくは同時進行できたら少しは勉強に興味・関心が湧くんじゃないの?
というのが僕の考えです。
「なら一年生に実習行かせるのか?」
というご質問がきそうというか、実際に以前この話しをした時にきたのでご返答させていただくと、それは日本理学療法士協会やその他教育機関を巻き込み、システムを変えないといけないので現実的ではありません。
でもこの問題の本質は実習に行かせるということではなく、『身近な臨床に触れてトップダウン的に学問の興味・関心を高める』ことにあります。
つまり、臨床家が症例を通して学生とディスカッションする機会をつくり、そこから学問の動機づけが出来ればと考えています。
となれば、教員の先生方だけでなくとも日頃から臨床に触れている僕らも何かしら教育に関われる可能性があるんじゃないかと僕は思っています。
となるとです。
少し話は脱線しますが、もし今後「PTも続けたいけど教員にもなりたい」と2つの夢を追いかけている人がいたら…
全然いけるんじゃないの?
と思っています。
教員になりたければ臨床は一旦離れるか、土日にバイトでどうぞ。
というのが今の在り方ですけど、現在臨床で働いている人が、教育に関われる機会があればこの問題って解消されないだろうか?
学生さんにもWinがあって働くPTにもWinがある。
そんな在り方をつくれたらいいなあなんて思ってます。
皆さんはどう思われますか?
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