この記事では、「DNSアプローチの方法論をどうやって学ぶか?」ということについて、僕が実際に行っているDNSアプローチの学習方法についてご紹介したいと思います。
臨床においてDNSの考え方を取り入れたアプローチは、(病態解釈に基づいていれば)すごく有効だと思うので、ぜひこの記事を最後まで読んで頂けると嬉しいです。
- DNSアプローチを手軽に学びたい
- DNSアプローチの実技場面を見てみたい
- 既にDNSのセミナーは受けているので方法論だけ復習したい
【無料】DNSアプローチの実技が学べる方法をご紹介
DNSアプローチとは
DNSとは『Dynamic Neuromuscular Stabilization』の略で、様々な姿勢パターンを定性的に評価する一連の機能検査と、発達運動学モデルに基づいた治療アプローチを利用した、神経学的、発達論的なリハビリテーションアプローチのことをいいます。(Kobesova et al.2016)
Functional postural-stabilization tests according to Dynamic Neuromuscular Stabilization approach: Proposal of novel examination protocol.Alena Kobesova,2020
DNSアプローチの特徴、その一つが『姿勢』にポイントに置いている治療概念であるということです。
ただ、姿勢を論点の土俵に挙げると大抵の場合「何を以て良い姿勢とするのか?」という部分で議論が分かれそうなイメージがあります。
この点に関して、DNSアプローチでは『発達』というのを一つベンチマークにしており、正常の発達過程の中で見られる姿勢や筋活動をある種の”正解”と置き、それに対して患者様の姿勢にどのくらいギャップがあるのかを評価・治療していく形になっています。
DNSアプローチの学び方(方法論に限る)
では、ここからは具体的にどのようにしてDNSアプローチの方法論を学んでいくのか。
そのやり方について解説していきます。
結論から言いますね、これ『youtube』です。
実は、YouTube上にDNSアプローチの実技解説がいくつもアップされてるんです。
理想的にはちゃんとセミナーに行って治療概念や考え方を学ぶというのが一番なんですが、もっと手軽に、例えば既にDNSアプローチの勉強をある程度行っていて実技だけ繰り返しみて復習したいという方にとってYouTubeでの学習は本当におすすめの方法です。
じゃあ実際、どのように見ていくか。以下順を追って説明します。
視聴手順を解説
①YouTubeにて”英語”で検索
まずYouTubeにて『Dynamic Neuromuscular stabilization』と検索してください。
この時、日本語で『DNSアプローチ』なんて検索しても出てこないので注意です。
というのも、DNSアプローチの方法論は海外のセラピストの皆さんがアップしているものだからです。
②翻訳設定で『日本語』を選択
検索したら、DNSアプローチを実践している動画が多数出てくると思います。
中には、月齢ごとにトレーニング方法を解説してくれているものもあるので、網羅的に方法論を知りたい方はこれを見ていくのが非常におすすめです。
で、この時必ずやっていただきたいこと。 それが『翻訳設定』です。
海外の動画なので、当たり前ですが解説は全て英語で行われています。
解説を気にせず動画だけ見ても十分イメージはつきやすいのですが、どうせなら解説も聞きたいという方にお勧めの設定が『翻訳設定』で日本語にすることです。
YouTube動画の画面上に「歯車」のマークがあると思いますが、そこをタップすると『字幕』タブがあります。
その字幕タブをスクロールしていくと、『日本語』というのがあるので、これを押すと動画上に日本語訳が出てきます。 途中訳がデタラメな部分もありますが、それでもないよりかは全然マシなので、解説が聞きたい人は必ずこの設定を毎回行ってご覧になってみてください。
ただ、この時一つ注意点があります。
それが、アプリ版のYouTubeでは『英語』の字幕しか出せないということです。 (ちなみにアプリ版だと歯車でななく、点が3つのタブがある)
そのため僕自身も、DNSアプローチをYouTubeで見るときはウェブサイト経由で開くようにしています。
DNSアプローチについて詳細にまとめらた本はない
さて、YouTubeを利用してDNSアプローチの実技を学んでいくと中には「もっと深くDNSアプローチについて勉強したい!」という方も出てくるんじゃないかと思います。
そうすると、おそらく次の手段として「セミナーに行く」もしくは「本を購入する」という選択が出てくると思うのですが、後者の「本を購入する」については現状難しいです。
なぜならば、DNSアプローチの詳しい理論から方法論までまとめた本というのが国内では存在しないからです。
一方で、セミナーに関しては関東圏を中心に開催されているので、理論から詳しく学びたいという方はそちらに参加するのがオススメです。
DNSアプローチに関する論文なら結構ある
DNSアプローチについてまとめられた本はないと言いましたが、実は論文であれば結構あります。
以下に、DNSアプローチを取り扱った論文をいくつか提示しますので、ご興味ある方はご覧になってみてください。
予測的姿勢制御に対するDNSアプローチの効果を示した論文
スポーツ選手におけるDNSアプローチの効果を示した論文
Dynamic neuromuscular stabilization & sports rehabilitation.Frank C,2013
運動パフォーマンスに対するDNSアプローチの効果を示した論文
Effects of dynamic neuromuscular stabilization (DNS) training on functional movements.Mahdieh L,2020
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