理学療法士・作業療法士のための国家試験勉強の仕方とコツ

先日、学生の方から「国家試験の勉強はどのように行ってましたか?」との質問をいただきました。

国家試験は理学療法士になるための通過点ですし、いわば学生生活の集大成ですよね。

僕が学生の頃、国家試験勉強で強く意識していたことはどうやったら上手に効率よく勉強できるかということよりも

「どうすれば一度勉強したことが抜けないようにするか」

といった部分を強く意識して取り組んでいました。というのも国家試験というのは、3~4年間という期間の中での膨大な知識を問われるわけですので、勉強しなければならない量もかなり多いですよね。

となると、一番怖いのは「忘れる事」だと思ったんです。

例えば、夏場に勉強して理解したことも、一時しなくなると冬になったら忘れてしまっていて、もう一度覚え直しなんてことをしていたら、それこそ結果的に効率が悪くなります。

そのため、「どうやったら一度理解したものを忘れにくくするか」というのはすごく大事なことであると思い勉強していました。

そこで今回は、僕が学生の頃に行っていた勉強方法をおこがましい限りですが少しご紹介させていただこうかと思います。

目次

理学療法士・作業療法士のための国家試験勉強の仕方とコツ

インプット<アウトプット

国家試験の勉強というと、机に向かって参考書を広げ黙々と勉強している風景が浮かびますがこれだと、どうしても集中力が続きにくく、ふと携帯を触ってしまったりすると中々勉強に戻れなくなったりすることって皆さんも経験はないでしょうか?

そのほかにも、よくあるのが「睡魔」です。

机に向い勉強しているときに、少し難しい問題や内容にぶつかってしまうと頭がフリーズしてしまい、気づいたら眠りに落ちていることはないでしょうか?

このように、座学で黙々と文字ベースでインプットを行っていると、沢山の誘惑や睡魔という魔の手が次々に襲ってきます。そこで僕が行っていた勉強法の一つが「教える時間をつくる」です。

というのが、そもそも人には情報をインプットして記憶を保持するためには限界があります。

一度勉強した内容が一時したら忘れていくことってあると思うんですが、まさにこれですね。

これは理解した内容も使う機会が少ないとその記憶を消去していくように脳は出来ているからです。

記憶させるためには、単純な勉強内容では残りにくいです。

そのため「人に教える」つまり、アウトプットを沢山行うイベントを強制的に発生させることでその勉強内容の情報を整理して記憶しやすくなるのです。

また人に教えることが頻繁にある方なら分かりませんが、あまり人に勉強を教える機会が少ない方こそこの方法はお勧めだと思います。

というのは、人に教える機会が少ない人が、「教える」というactionを起こすだけで、その人は今までに経験したことのない感触や緊張感といったものを一つのエピソードとして強く記憶に結び付きやすいので、その時に教えた内容は感動や緊張感といった情動的な処理と一緒に記憶に残りやすいからです。

そしてさらに、もう一つこれに付け加えるとしたら「より大人数の前で教える」という方が効果が高いのではないかと感じます。

大勢の前で教えるとなると、緊張感は人によっては計り知れないと思います。

加えて、人に教えるためには準備が必要です。この準備も自分で行うことによってただ自己満足で勉強するよりも、はるかに知識として残りやすいです。

「常にだれかにアウトプットするつもりでインプットする」

これは国家試験に限らず、これから学んでいくこと全てに共通する部分ではないかと思います。

また、人に教える事のメリットとしてはもう一つあります。それは…

「あれ?なんでここはこんな風になるんだろう?」と、教えている最中にいままで気づかなかった疑問に気づくことがあるんです。

勉強が苦手な人が理由として挙げるものに、「どこが分からないか分からない」というものがありますが、こういった場合教える側も相手がどこが分からないかが分からないため、教えづらいということがあります。

よって、このような場合はとりあえずその本人に、まずは「あなたがここの内容の教師役になって」と、まず決めます。

そして、教えさせている中で本人にどこが分かっていないのかを自分で気づくようにさせるのです。全て受け身であれば自分の苦手は相手には伝わりません。

そういった意味でもまずは「アウトプット」です。

アウトプットした後にインプット

もっと具体的にいうならば

アウトプット(教える)してみて、そこで自分の苦手に気づきそこをインプット(勉強する)する。そしてもう一度アウトプット(教える)。

この繰り返しが最も自分の分からないところに気づくポイントではないかと僕は思っています。

自分で問題をつくる。一問一答ノートの作成

これは、主に教科書や参考書をベースにして行った方法です。

例えば、教科書には第~章というように区分けがされてあると思います。

そして文章を読んでいくのですが、教科書には大抵大事な部分は大きく書いてあったり、文字が太くなったりしていると思います。

また、それだけでなく模擬試験などでよく出題される部分や国家試験の過去問からよく出題されている所ってありますよね?

この方法は、そういった部分が答えとなる様に自分で問題をつくるのです。

例)

気管と気管支

気管は長さ約10㎝、太さ約2㎝で、食道の前方にあり、脊柱の第六頚椎から始まり第四胸椎の下端の高さで左右の主気管支に分かれる。
左右の主気管支を比べると右気管支が太く、短く、傾斜が急である。したがって誤嚥した異物は一般に右主気管支、右肺へ入りやすい。

このような文章があったとします。ここの中から、自分で問題をつくっていきます。例えば

問1
気管の長さと太さを答えなさい。

A. 長さ10㎝、太さ2㎝

問2
気管の起始点を答えなさい

A. 第6頚椎

といったような具合です。このように、自分であらかじめ答えになるものを決めて、それに基づく問題文を自分で作るとある程度理解しながら作ることが出来ます。

この一問一答をつくる時の手順を説明します。

手順
  1. 問題文を黒ペンで書く
  2. 答えを赤ペンで書く
  3. 赤ペンが消える下敷きを使って一問一答を行う

これだけです。ただ、一問一答を行う際おすすめなのが歩きながら行うことです。

理由は、座ってこれをやり続けると睡魔が襲ってくるからです。

国家試験の勉強中って机に座っとく時間多いは、糖分ほしくなってお菓子バカ食いしてしまうはで太りやすくなる時期でもありますし、歩きながらすると一石二鳥なのでお勧めですよ(笑)

また、ただがむしゃらに行っていても問題の量が多いためゴールが見えず、モチベーションが上がりません。

そこでまずあらかじめ、始める前に目標設定を行った方が良いです。

例えば「今日は50問正解するまで寝ない」とかです。このように、始める前に自分と約束することでゴールが決まるので勉強をやめるタイミングもできます。

または「5分間エンドレス」なんてのもやっていました。携帯のストップウォッチ機能を使って5分間タイマーでセットして、その間一問一答をし続けるのです。5分経ったら休憩しまたこれを繰り返す。といったような形を組んで行っていました。

この時間制にすることのメリットとしては、一時間机に向かって、ぼーっとしながら勉強するよりも、5分間の中で何問正解できるかといった目標指向型で勉強した方が明らかに質が高くなるのではないかと感じたからです。

ただ…

「こればかりすると問題を暗記しちゃうんじゃないの?」

と言われたことがありますが、その対策として暗記ができないほどかなりの量の問題をつくる様にしていました。具体的には、教科書一章の中で「問題を50問つくる」と決めて行っていました。

すると、文章を読みながら頭をひねり出さないと出来ない問題も多くなるので、一章の中で漏れる知識は極端に減ります。

このおかげで、たまに模擬試験などでかなりマイナーな、教科書の隅っこに書いているような問題文も分かったりするため、この方法は自分の中ですごくよかったと感じています。

このように問題の量が多くなると、一問一答ノートはかなり分厚くなりそれが何冊にもなりますが、しかし冬場に入るともう新しい知識は入れずずっと「一問一答ノート」だけを繰り返し行っていました。

最後のポイントとして、これが一番大事だと思うのですが

答えになるものを文章にしないということです。

例えば、「赤血球の特徴を答えなさい」

なんていった問題をつくると、答えになる情報量が膨大になりすぎて、暗記作業になってしまいます。

人には暗記できるキャパがあるので、文章を答えにしてしまうと中々覚えれない上に、毎回そこの問題を間違えるとモチベーションが上がりません。

そのため出来るだけ、答えになるものは「単語」になる様に意識して作ることが大事です。このようにして作成した一問一答ノートですが、これを友達にも作ってもらうとさらに良いかと思います。というのは、時々お互いのノートから問題を出し合うことが出来るからです。

そうすることで、お互い同じ章から問題を出したとしても、その問題文の作り方や答えになるとところは違うため、案外難しかったりします。というのは、この問題の出し合いでは本当にその内容を理解出来ていなけば正解できないからです。

2人の答えは共通でも、問題文が違えば答えられないということは、まだ理解が浅いのです。そのためこの作業では

自分が理解出来ているのか。それとも暗記になってしまっているのか。を判別できるのです。

そのため、間違えたらもう一度その部分を勉強し直したり、相手の書いてある文章を自分のノートに付け加えたりしながら、自分のノートをアップグレードしていけるかと思います。

最後に、「本当にこんなやり方で伸びるのかよ」と疑問を持たれる方のために、1年間この勉強法を行ってきた僕の成績(模試)をお伝えします。

業者模擬試験の結果

総合点数:268点(最高)
共通問題:100点(最高)
専門問題:168点(最高)

こんな感じです。はい、無双しておりました。(ウザイ)

※業者模試は1週間に1回のペースで行われていたので、それらの総合点数の平均は210〜230の間くらいでした。

終わりに

長くなりましたが、以上僕が行ってきた国家試験の勉強法です。

改めて、勉強中意識することは

・どれだけ時間を無駄にせず行えるか。

・どれだけ記憶に留めておけるか。

この2点が国家試験合格をする上で大事なところではないかと思います。

「まだ夏だから」と思いながらしていたらあっという間に冬がきます。

そこで焦ってももう遅い。

これだけは断言できます。時間があるからと余裕をかまさずに、時間をきちんと設定してその時間はとにかく一生懸命勉強する。

そして、休憩時間は寝たり遊んだりときちんとメリハリをつけましょう。

一時間無駄話をしながらやるよりも、10分間一心不乱に勉強する方がよっぽど記憶に残りやすいです。そのためには、勉強を始める前に最初に今日の目標を決めましょう。

それは、問題数でもよいし、時間でもよいし、理解するまででもよいです。その日の目標設定なく取り掛かるのは、ノルマの見えない仕事と同じです。

一日一日を大切に。

学生の皆様、国家試験合格を目指してぜひ頑張ってください!

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