【腰痛の理学療法】ODIを用いて日常生活活動の評価を行おう!

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慢性腰痛患者様の日常生活活動(ADL)の障害の程度を把握するための評価として、Oswestry Disability Index(ODI)というものがあります。

慢性腰痛に対する活動量の評価で世界的に最も使われているのは、Roland‒Morris disability questionnaire(RDQ)でODIはRDQに次いで利用頻度の高い評価ツールとなっています。

そこで、今回はODIの評価の詳細やポイントについて分かりやすく解説していきます。

現在、慢性腰痛のリハビリテーションに携わっているセラピストの皆さんは、ぜひ最後までご覧ください。

評価項目を全てご覧になりたい方は、以下目次から『評価項目一覧』をタップしてください。

目次

【腰痛の理学療法】ODIを用いて日常生活活動の評価を行おう!

なぜ、痛みのリハビリに活動量が大事なの?

痛み(特に慢性疼痛)のリハビリテーションを進めていく上で身体活動量を追うことが大事な理由。

それは、活動量が増える(=運動を行う)ことによって痛み(特に慢性疼痛)が緩和するという報告が数多く挙がっており、活動量の増加と痛みの緩和に相関関係があるからです。

慢性疼痛患者において、処方された運動はほとんどの疼痛に対して有効な治療法であり、運動と理学療法の利用は障害と医療費の削減に有効であることが長い間認識されている。

Exercise-induced pain and analgesia? Underlying mechanisms and clinical translation.Sluka KA,2019

逆に、「慢性疼痛患者が健常者と比較してどれだけ活動量が少ないのか?」というのも明らかになっており、それを表しているのが以下の図になります。

Exercise-induced pain and analgesia? Underlying mechanisms and clinical translation.Kathleen A. Sluka,2019より引用
  • FM=線維筋痛症
  • HC=健常対照者
  • PF=身体的疲労
BとCの図

Bの図は、1週間における線維筋痛症患者と健常者のエネルギー消費量の違いを表している図。

線維筋痛症患者は健常者に比べてエネルギー消費量が著しく少ないことが分かる。

Cの図は、線維筋痛症患者と健常者の一日の運動量の違いを表している図。

線維筋痛症患者は健常者に比べて1日の運動量が少ないことが分かる。

このように、慢性腰痛を患っている人の多くは日常的に身体を動かすという機会が少ないことが分かるかと思います。

だからこそ、一つのアウトカムとして『身体活動量』を評価することによって、痛みのリハビリテーションを前に進めることが可能となるわけです。

ODIの評価項目と算出方法

ODIは全10項目、かつそれぞれに0~5(6段階)の問いから構成される質問紙票です。

合計値(%)が高いほど、より重症度が高いという風に解釈することができます。

ODI『10個のテーマ』
  1. 痛みの強さ
  2. 身の回りのこと(洗濯や着替えなど)
  3. 物を持ち上げること
  4. 歩くこと
  5. 座ること
  6. 立っていること
  7. 睡眠
  8. 性生活
  9. 社会生活
  10. 乗り物での移動

算出方法は、各テーマごとに0~5点の点数が配分されているのでこの合計値を算出します。

ただし、算出の仕方は◯点ではなく◯%というような形になります。

ODIの得点の算出法は、各10のセクションの合計得点を満点の50で割り%で表現する。すなわち0から100の値をとる。未回答のセクションがあれば、そのセクションの数を5倍したものを50から減じたもので合計得点を割ることとする。重傷度が増すほどODIスコア(%)は高くなる。

Oswestry Disability Index-日本語版について-.藤原淳,日本腰痛会誌,15(1): 11-16,2009

評価項目一覧

それでは、以下にODIの評価項目を一覧で示します。

回答時間は平均すると7分程度と言われている(藤原,2009)

以下のアンケートに答えてください。これらは、腰の痛み(あるいは足の痛み)が、あなたの日常生活にどのように影響しているかを知るためのものです。全てのアンケートに答えてください。それぞれの項目の中で、最もあなたの状態に近いものを選んで、◯で囲んでください。

  1. 痛みの強さ
    0.今のところ、痛みはまったくない。
    1.今のところ、痛みはとても強い
    2.今のところ、中くらいの痛みがある。
    3.今のところ、痛みは強い
    4.今のところ、痛みはとても強い。
    5.今のところ、想像を絶するほどの痛みがある
  2. 身の回りのこと(洗濯や着替えなど)
    0.痛みなく、普通に身の回りのことができる。
    1.身の回りのことは普通にできるが、痛みが出る。
    2.身の回りのことはひとりでできるが、痛いので時間がかかる。
    3.少し助けが必要だが、身の回りのほとんどのことは、どうにかひとりでできる。
    4.身の回りのほとんどのことを、他のひとに助けてもらっている。
    5.着替えも洗濯もできず、寝たきりである。
  3. 物を持ち上げること
    0.痛みなく、重い物を持ち上げることができる。
    1.重い物を持ち上げられるが、痛みが出る。
    2.床にある重いものは痛くて持ち上げられないが、(テーブルの上などにあり)持ちやすくなっていれば、重いものでも持ち上げられる。
    3.重い物は痛くて持ち上げられないが、(テーブルの上などにあり)持ちやすくなっていれば、それほど重くないものは持ち上げられる。
    4.軽いものしか持ち上げられない。
    5.何も持ち上げられないか、持ち運びもできない。
  4. 歩くこと
    0.いくら歩いても痛くない
    1.痛みのため、1㎞以上歩けない。
    2.痛みのため、500m以上歩けない。
    3.痛みのため、100m以上歩けない。
    4.つえや松葉づえなしでは歩けない。
    5.ほとんど床の中で過ごし、歩けない。
  5. 座ること
    0.どんな椅子にでも、好きなだけ座っていられる。
    1.座り心地の良い椅子であれば、いつまでも座っていられる。
    2.痛みのため、1時間以上は座ってられない。
    3.痛みのため、30分以上は座っていられない。
    4.痛みのため、10分以上は座っていられない。
    5.痛みのため、座ることができない。
  6. 立っていること
    0.痛みなく、好きなだけ立っていられる。
    1.痛みはあるが、好きなだけ立っていられる。
    2.痛みのため、1時間以上は立っていられない。
    3.痛みのため、30分以上は立っていられない。
    4.痛みのため、10分以上は立っていられない。
    5.痛みのため、立っていられない。
  7. 睡眠
    0.痛くて目を覚ますことはない。
    1.時々痛くて、目を覚ますことがある。
    2.痛みのため、6時間以上は眠れない。
    3.痛みのため、4時間以上は眠れない。
    4.痛みのため、2時間以上は眠れない。
    5.痛みのため、眠ることができない。
  8. 性生活(関係あれば)
    0.性生活はいつも通りで、痛みはない。
    1.性生活はいつも通りだが、痛みが出る。
    2.性生活はほぼいつも通りだが、かなり痛む。
    3.性生活は、痛みのためにかなり制限される。
    4.性生活は、痛みのためにほとんどない。
    5.性生活は、痛みのために全くない。
  9. 社会生活(仕事以外での付き合い)
    0.社会生活は普通で、痛みはない。
    1.社会生活は普通だが、痛みが増す。
    2.スポーツなどのように、体を動かすようなものを除けば、社会生活に大きな影響はない。
    3.痛みのため社会生活は制限され、あまり外出しない。
    4.痛みのため、社会生活は家の中だけに限られる。
    5.痛みのため社会生活はない。
  10. 乗り物での移動
    0.痛みなくどこへでもいける。
    1.どこへでもいけるが、痛みが出る。
    2.痛みはあるが、2時間程度なら乗り物に乗っていられる。
    3.痛みのため、1時間以上は乗っていられない。
    4.痛みのため、30分以上は乗っていられない。
    5.痛みのため、病院へいく時以外は乗り物には乗らない。

ODIを用いる際の注意点

ODIを臨床現場で用いる際、念頭に置いておきたい注意点は2つです。

一つは、質問のテーマの中に『性生活』に関する質問が含まれていることです。これは、人によっては「答えたくない」という方も一定数いるためこのテーマのみの回答率が低下することが予想されます。

そしてこの点を踏まえると、時と場合に応じて『性生活』に関する評価項目は省いても良いかもしれません。(金,2015)

セクション8の性生活に対する回答率は、国民性や宗教上の理由により各国まちまちだが、本国ではわれわれは60%、Hashimotoらも73%と報告しており研究対象によっては最初から除外してもよいと考える。

Oswestry Disability Index-日本語版について-.藤原淳,日本腰痛会誌,15(1): 11-16,2009

もう一つ、ODIはRDQと相関関係にあると言われていますが、スコア的な観点で見るとODIの方が高くなる傾向があると言われています。つまり、重症度が高いケースにおいてはODIの感受性が高く、腰痛による細かな障害については RDQの方が感受性が高いといった報告があります。(金,2015)

参考文献

1) Oswestry Disability Index-日本語版について-.藤原淳,日本腰痛会誌,15(1): 11-16,2009

2) 脊髄外科研究に用いられるスコアリングシステムおよびその特徴② 腰椎疾患の評価システム.金景成,Spinal Surgery 29(1)18-25,2015

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