理学療法士・作業療法士を辞めたくなった時に見てほしい

きんたろー

こんにちわ!理学療法士のきんたろー(@kintaroblog)です!

 

最近、いくつかご相談をいただくことがあります。

その内容で最も多いのが『仕事をやめたい』ということで、具体的には「PTは続けたいけど職場を変えたい」というものです。

僕自身が最初の病院を一年半で退職していることから、そのようなご相談をいただくことが増えてきました。

さて、辞めたい理由には様々ありますが、特に1.2年目の方で多いのは『精神的にきつい』という理由が多い印象があります。

僕は、このような理由で“辞めたい”と思っている方に対して、『精神的に弱い』『忍耐力がない』なんていう精神論だけで片付けるのは馬鹿げていると思っている人間で、それはあまりにも“働く”ことの本質からずれていると感じているので、今日は『辞めたいけど辞められない』方に対して僕なりの思いを少し書いていきたいと思います。

目次

理学療法士・作業療法士を辞めたくなった時に見てほしい

PT・OTはやりがい搾取?

・リハ職は仕事のわりに給料が低い。

・休日返上で勉強会に行く風潮が強い

・リハ科(部)の勉強会には強制参加が多い

などなど、理学療法士・作業療法士などのリハ職は【患者様のため】をスローガンに常に研鑽していこうという風潮があります。

ただ人によってはこれを『やりがい搾取』だと思っている方も中にはいるのではないでしょうか。

僕の個人的な意見を述べさせていただくと、患者様のために日々研鑽する姿勢はすごく素敵なことであると感じますし、むしろ必要なことであると思っています。

そのため、このブログの中でも「勉強していきましょうね~」という思いはちょくちょく発信させていただいています。

だから、こういったPT・OTの姿勢は本当に素晴らしいと思うのですがただ一点、そのための方法論が若干ずれているのかなと感じる部分もあります。

先ほどの例で述べると、『リハ科(部)内の勉強会は強制参加』というのは少し首をかしげたくなることの一つです。

そもそも、まず勉強というのは大前提に“興味・関心”がベースにあって初めて主体的に行えるものであるので、強制的に行う勉強会というのは、もはや『勉強する』という前向きなモノでなくなり、『業務の一環』くらいの感覚になってしまいがちです。

また、やりがい搾取とは少し違いますが特に1.2年目の方で、患者様を良く出来なくて悩む人がとても多いです。

これで悩めるって本当に素敵な人だなといつも思うのですが、ただ幸か不幸かこのような『良くしたい』という思いが強ければ強いほど、現実とのギャップに精神がどんどん追い込まれていてしまう1.2年目の方って本当に多いです。

辞めたい理由で多いもの

辞めたい理由で多いものとして最も多いのは先ほど言いました『精神的に辛い』というのが圧倒的に多いです。

その理由にも様々あって…

・結果が出ない

・人間関係がきつい

・手技が合わない

・勉強会が多すぎる

などなど、このように『精神的に辛い』の背景にもさらに多くの理由があります。

なぜ3年以内だと辞めれないのか

「辛いなら辞めたらいいじゃん。」っていう話しなんですが、そう簡単にいかないのが現実です。

職場をやめるときにそれを踏みとどまらせている理由。

特に、就職して1.2年目の方がよく辞められない理由の一つとして挙げるもの。

それは「最低3年は働かないといけないよね…」でした。

確かに思えば、これって学生の頃からよく飛び交ってた言葉の一つでもありました。

 

「とりあえず大きな病院で3年働いて勉強してから地元に帰ってこよう」

「修行のつもりで3年とりあえず頑張る」

 

というように、ことあるごとにやたらこの『3年』という期間はいたるところで飛び交っていました。

しかし、よくよく考えたら…

『何で3年なの?』

凄くよく聞く言葉ですが、この言葉って一体どこから来ているのか。

少し考えてみたところいくつか思い当たるものがありました。

まず、昔から日本には『石の上にも三年』といったことわざがあります。

「何事をするにもせめて3年は頑張らないと結果は出ないよ。」という意味が込められている代表的なフレーズです。

また親や先生、先輩などからも「せめて3年は働いた方がいいよ」という風に言われたことってないでしょうか。

ただなぜ3年なのか。その理由を具体的に説明してくれる人ってあまりいないような気がします。

なるほど。ということは、その3年に込められた意味というのは本質的にはもしかするとあまり意味はなく、昔からの言い伝えのようなものに私達は支配されている可能性ってないかな?なんて思うわけです。

そこで、『せめて3年は…』に込められた意味を少し考えてみました。

・「このご時世就職難で一度やめてしまったら次の職場に就くのは簡単じゃないんだから、まずは3年耐えて頑張ってみないと良いか悪いかなんて判断できないよ!」

・「仕事が向いてるかどうかなんて最低3年は続けないと分かんないよ!」

などなどといったところでしょうか。

3年以内にやめちゃってもいいじゃない!

今回はPT・OTに限定して書いているので、その視点からちょっとばかり持論を言わせていただいてもよろしいでしょうか?

まず、“このご時世だから次の職場なんてすぐに見つからない”というご意見。

それに関して言わせていただくと全く関係ないと僕は思っています。

その理由は、PT・OTという職業自体が割と循環しやすい職業だからというのがあります。

循環しやすい?

そう。少し考えてほしいのですが、1年を通して3年以内など関係なく必ず一人はやめる人っていないですか?

大きな病院ならなおさらで、1年間の中で3.4人は大体辞める人が出て、4月に新人がドサッと入ってきます。

これは、基本的にリハ職の方たちの考えとして「ずっと今の職場にいない」を前提に働いている人がほとんどだからです。

またPT・OTは、最近は医療現場だけでなく老健やリハ特化型のデイサービス、自費リハ施設など、職域の拡大と共に今のところはまだまだ人員が欲しい施設が沢山あります。

つまり、今の職場をやめたところで就職先がないなんてことはまずないです。

しかし、やりたいことが見つかれば辞めるという選択肢があるにも関わらず、なぜか“3年以内”で、となると急に辞めれない心理が働きます。

これはなぜなのかと考えたところ…

✔️「3年以内にやめたら親や先生から…」

✔️「3年は働かないと社会的にダメなレッテルを貼られる気がする…」

✔️「3年も働けない自分ってどこにいってもダメなんじゃ…」

と言うように、昔から『とりあえず3年は頑張れ』というのが世の中に浸透してしまいすぎて、その本質が分からず、感情論だけで『せめて3年は…』となっていないでしょうか。

だからこそ今聞ききたいのは「とりあえず3年は修行のつもりで頑張る」というニュアンスで就職先を意思決定した方たちは…

・具体的にその3年で何を学んで何を得たいのでしょうか?

・そしてなぜ3年という期間を選んだのか。

それを自分に問いを立てててみてほしいんです。

もし明確な答えがないのならもしかすると『3年は修行』の言葉にある“3年”には深い意味がなかったのかもしれません。

それでもその時に‟3年”と言っているということは、それほど僕らの中に『せめて3年は…』という概念が無意識に刷り込まれているのだと思います。

少し脱線してしまいました。話しを戻します。

今の職場がセラピストの在り方ではない

仕事を辞めたら次の職場がすぐに見つからないという理屈

現在の社会情勢としては一般的なものかもしれませんが、PT・OTにその理屈がそのまま当てはまるかと言うと僕はそうじゃないと思っています。

むしろ、PT・OTの働き方ってだいぶ環境によって変化が大きい職種だと思っていて、職場を変えたことによって“自分は研究が好きだったんだ”ということに目覚める人もいれば、“大学院に行きたくて〇〇病院はそのコネクションが強いからそこに行きたい”とか、“少人数のところでゆったりリハをしていきたい”とか色んな発見があります。

また、これは少し異質だと思いますが特にリハビリテーションの世界は手技・手法をベースにリハが成り立っている組織があります。

そして、悲しいことにその手技・手法で成り立っている事実なんて入職してからしか分からないなんてことも現実として起きています。

その為、その手技・手法にどうしても合わない人がでてきたり、手技に固執したくないと思っている人は合わないことがあったって何らおかしなことじゃないです。

PT・OTという名前だけとっても働き方は千差万別なわけだから、自分が輝ける場所っていうのも絶対どこかにあって、今の職場が理学療法士のすべてだなんて絶対ないと思うんですね。

現に、理学療法士を3年以内でやめる人って実はめちゃめちゃいます。

現在、講師活動をしている方や、本を書いているようなすごい人だって、本の中に書かれている経歴を見ると3年以内で頻繁に勤め先が変わっている人って結構多いです。(目的があって変わっているのだと思いますが…)

僕は最初の職場を1年半でやめましたが、この事実を知ってちょっと元気出ました(笑)

「あ、この人たちもすぐやめてんじゃーん」て。

まとめると…

3年に込められた意味って実はそれほどなく

「せめて3年は…」の本質を探ると、ほとんどが昔からの言い伝えによるマインドの縛りが原因だと僕は思っています。

今と昔は違うし、そもそもその3年縛りを対象としている職業にPT・OTが当てはまらない可能性だってある。

最後に

【セラピストは勉強しないといけない】

患者様のリハビリテーションに関わるこの職業を行っていくのならこれはその通りであると思いますし、否定するつもりも全くありません(むしろ肯定派です)

でも、そうは言ってもPTである前に僕たちは『人間』なもんで。

組織の中で働いていれば少なからず様々なストレスの元に晒されるわけです。

そんななかで、そのストレスに耐えれられるだけの精神力がある人もいれば、耐えられない人だって当然います。

心が疲れて身体的にも精神的にも疲弊している状態で、『研鑽する』というのは中々難しいものです。

勉強しなければならないのは分かっていても、できない時だってあるんです。

正論だけがまかり通る世の中じゃ決してありません。

✔️毎朝起きるたびに憂鬱になり負の感情でいっぱいになる

✔️笑顔になれない

✔️仕事のことを考えると悪いイメージしか思いつかない

こんな風になっているにも関わらず、『せめて3年は…』の精神で、負の感情を漂わせながら働くことに果たして生産性があるでしょうか。

日本人は昔から我慢が美学とされる風潮が比較的強い傾向にあり、僕自身も子供の頃からそのような教育を受けてきました。

ただ、昔と今は違うし、『就職難』というレッテルを、『せめて3年は…』という縛りを、全ての職業に当てはめて考えるのは絶対的に違うと思っています。

各職業の就業率の背景も把握せずに“就職難”、“せめて3年は…”と言う言葉だけが世の中で独り歩きしていたら、1.2年目で仕事を辞めてしまうと、なんとなく『非難されるようなことをしてしまった』と思いがちになってしまいます。

辞める選択を正当化しようなんて思いません。

ただ、しんどくて辛くてどうしようもないなら1年だろうが2年だろうが、辞める選択肢というのはいつもどこにでも、手の届く所にあります。

むしろ、そんな状態でストレスを抱えながら、我慢して働き続けるあなたの時間がもったいない。

あなたの生ある貴重な時間をストレスと負の感情に与えてはだめ。

自分が働きやすい環境って絶対あります。

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