新人セラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)とリハビリ学生を応援するためのブログ

股関節伸展制限と腰痛

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こんにちわ!きんたろーブログ(@kintaroblog)です!(^^)!

 

僕は基本、学問の事に関して記事を書くときは必ずベースとして何らかの論文を参考にしています。

 

その理由は、僕の憶測のみで話をすると内容に飛躍が生まれたり、そもそも正しい情報がどうかが疑わしいからです。

 

現在ネットでは多くの情報が取り扱われており、便利になってきている一方で、正しくない情報も存在しています。

 

そのため、このブログの中で扱っている学問記事に関しては、出来るだけ世に出ている論文をベースに書いているつもりです。(以前までの記事で論文ベースでない記事があったらすみません。見つけたら優しく声をかけてくれたら嬉しいです…)

 

が、勿論中には「それ大丈夫?」という論文もあるかもしれません。

 

いかに世に出た論文でもあくまで仮説の範囲内で『絶対正解』なんていうわけではありません。

 

いまは定説でも今後、それを覆すような研究や事実が生まれてくる可能性は十分にあります。

 

既存の知識はいつか誰かが覆すからです。

 

そのため、あくまでも参考の一部として読んでいただき、読んだ知識を活用するかしないかの意思決定は皆様にお任せしたいと思います。(治療手技を意思決定する時と同じです)

 

それでは、今日のテーマ

『股関節伸展制限と腰痛』に入っていきましょう

股関節伸展制限と腰痛

股関節伸展制限とは

股関節伸展制限とは、何らかの理由により股関節が屈曲位のままとなり、伸展出来ない状態です。

 

さて、ではこの股関節伸展制限と腰痛には一体どのような関わりがあるのでしょうか。

Hip-spine syndrome

‟Hip-spine syndrome”

 

一度は聞いたことがある名前ではないでしょうか?

 

1983年に、OffierskiとMacnabが提唱した概念で、脊椎と股関節は骨盤を介して隣接しあうため、片方の障害は同じく片方に影響を及ぼすといったものです。

 

さて、ではそもそも‟股関節伸展制限”をきたす疾患とは何があるでしょうか。

 

代表的なものには、『変形性股関節症』があります。

 

代表疾患を挙げればこうなりますが、ただ股関節伸展制限は、このような固有な疾患だけでなく加齢による筋・骨などのバイオメカニカルの変化によっても容易に生じてきます。

 

 

例えば、1日を通して座っている時間が圧倒的に長い方などは容易に股関節周囲の軟部組織や靭帯が拘縮してくることが考えられます。

 

では、次に今回の主旨である股関節伸展制限がどのように腰痛に絡んでくるのか。

 

そのあたりを具体的にみていきましょう。

 

まずは、諸家の論文をご覧ください。

臼蓋形成不全を有する二次性の変形性股関節症患者は大腿骨頭の被覆率を高めるため、骨盤が前傾し、次に腰椎前彎角度が増すことで、立位アライメントに変化をもたらす。
土井口ら.2004

臼蓋形成不全(AD)患者と非AD患者における脊椎-骨盤矢状面アライメントの比較検討を行った結果、AD患者では寛骨臼の前方被覆不全に対して腰椎を前彎し、骨盤を前傾させ代償している可能性が示唆された。
福島ら.2018

 

とまあこんな感じで、変形性股関節症患者様に関する論文を挙げていますが、これらの事から何が言いたいかと言いますと…

 

股関節伸展制限を有すると代償として骨盤を前傾させ、その結果腰椎が過前彎する

 

ということです。

 

腰椎-骨盤-股関節のバイオメカニクス

まず、股関節の伸展制限があると立位姿勢をとった時に股関節が屈曲位になってしまうため体幹が前屈してしまう状態になってしまいます。

 

『バイオメカニカルアプローチ 栗原修』より引用

 

ただ、これだと直立姿勢がとれないので、代償が生じます。その結果どうなるか。

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『バイオメカニカルアプローチ 栗原修』より引用

 

このようになります。

 

股関節伸展制限がある状態から、ヘッドアップして直立二足立位をとろうとすると代償として骨盤の前傾が生じその結果、腰椎は過前彎となってしまいます。

 

すると、“椎間関節性”や“筋原生”の腰痛をきたす可能性が生まれてきます。

腰椎過前彎の評価

股関節伸展制限により代償として“骨盤前傾&腰椎過前彎”が生じ腰痛が発生した場合、一体どのように評価していけばよいのでしょうか。

 

今日はその評価として2つご紹介させて頂きます。

背臥位で疼痛が生じるか

ベッドに背臥位で寝た場合、本来腰椎は内臓の重さなどにより前彎は減少します。

 

そして、この前彎の減少により骨盤が後方回旋するので普通なら股関節は伸展します。

 

ただ、、、

 

股関節伸展制限のある方では、ベッドに背臥位になった際に、骨盤が後方回旋しないので、その結果腰椎の前彎が減少しづらくなります。

『バイオメカニカルアプローチ 栗原修』より引用

すると、腰部とベッドの間に隙間ができてしまうため、評価の一つとして頭に入れておくとよいのではないかと思います。

後部腰椎可動性テスト(PFLテスト)

このテストは、林典雄先生が考案されたテストです。

 

腰椎の過前彎などにより、椎間関節性腰痛が生じている場合、背部の筋群(多裂筋など)は攣縮が生じその結果、腰椎が後彎しづらい構造になっている可能性があります。

 

このテストでは、図のように側臥位で股関節を屈曲していくのですが、ここで以前『脳卒中における股関節前面痛のメカニズム』でお話しした内容が少し被ってきます。

 

☆合わせて読みたい☆
脳卒中における股関節前面痛のメカニズム

 

『椎間関節性腰痛のみかた 林典雄』より引用

 

このテスト、正常であれば股関節を屈曲していくと大腿部が胸につくのです。

 

ただ、ヒトの純粋な股関節屈曲は約90°で、そこからは骨盤後傾が加わるというものでしたが、本来そのためには、腰椎の後彎可動域が担保されてなければなりません。

 

ということは、腰椎が過前彎している状態では骨盤が後傾しないので結果、理論上は股関節の屈曲可動域も減少してしまうため、PFLテストを行うと大腿部が胸につかない状態(陽性判定)になると仮定できます。

 

以上この2つが腰椎過前彎が存在するかどうかの簡単な現象とテストです。

 

もし機会があればつかってみてください^^

さいごに

今日は珍しく骨-関節の分野を書いてみました。

 

なぜかといいますと、現在職場が変わりまして。

 

今まで脳卒中後遺症患者様のリハだけだったのが、今度は腰痛だけに変わったからです(極端にも程がある)

 

もちろん脳卒中に関しても、勤務しているクリニックとは別に診させて頂く機会があるので、今は【脳卒中✕腰痛】と言った感じで日々勉強させて頂いております。

 

「見たい疾患が見れない」

 

これに関して日々思うのは、自分の足さえ動かせばリカバリーできるものだなと。

 

どんな環境にいたってやりたいことを本気でやろうと思えば実現できます。

 

さてと。

学問に関する知識を日々ブログでアップしてますが、僕自身もこれが机上の空論だけで終わらないよう常に実践しながらレベルアップできたらと思っています。

 

では、今日はこれでおわりでーーす。

 

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