【2024年最新】股関節周囲における感覚受容器(メカノレセプター)の密度を解説!

『感覚受容器』あるいは『メカノレセプター』というワードは、リハビリテーション業界の中で生きているとそれはもう聞き飽きるほど耳に入ってくる単語の一つです。

使われる場面としては…感覚の問題を説明する時だったり、痛みの問題を説明する時だったり、あるいは運動戦略を説明する時だったりと多岐に渡ります。

だからこそ、登場する場面が非常に多いわけです。

もう一つ、感覚受容器(メカノレセプター)の話題が上がる際に出てくるのが「どこに多いか?」というテーマです。

筋肉なのか、関節なのか、皮膚なのか、あるいはそれ以外の組織なのか。

どの組織に感覚受容器(メカノレセプター)が豊富に存在しているのかといった点もよく話題に上がりやすく、例えば『足底における感覚受容器の分布』だったり、『〜関節における感覚受容器の分布』といったテーマは皆さんも一度は気になったことがあるのではないでしょうか?

この2つとも、先行研究によって大方明らかになっているので解説していきたいのですが、両方を同時に解説すると量が膨大になってしまうので…

ひとまず足底部における感覚受容器の分布割合や密度の話しは別の記事で設けるとして、今回は『関節』にフォーカスしたお話しをしていきたいと思います。

特に、(下肢でいくと)膝関節や足関節における感覚受容器(メカノレセプター)については論文の数もそこそこ多いので、ここではあまり目にすることのない『股関節周囲』における感覚受容器(メカノレセプター)の密度について解説していきます。

股関節周囲における感覚受容器の密度を知ることによって、運動療法を実施していく際の「意識すべきこと」が大きく変わってくるため、この機会にぜひその特徴を押さえておきましょう!

きんたろーInstagramより引用
きんたろーInstagramより引用
目次

【2024年最新】股関節周囲における感覚受容器(メカノレセプター)の密度を解説!

股関節の感覚受容器(メカノレセプター)の密度を明らかにした論文

2023年にこんな論文が発表されました。

タイトルを直訳すると…

ヒト股関節包の前方、内側、外側の神経支配に関する微細構造解析:神経力学的寄与に関する予備的証拠

となっていて、内容をすごくざっくりまとめると…

「股関節包とその周辺組織における感覚受容器(メカノレセプター)の密度を調べたよ」

という具合の研究論文です。

29人(男性20人、女性9人)の被験者を対象に、股関節被膜複合体を採取してその神経支配の程度を調べたんですね。

対象となった感覚受容器
  1. ルフィニ終末
  2. パチニ小体
  3. ゴルジ体

これ、重要なのは研究対象に「筋肉が含まれていない」ということです。

要は、股関節周囲の筋肉(大殿筋、ハムストリングスなど)は今回の研究対象から除外されています。

その前提を踏まえた上で結果を見ていきましょう。

きんたろーInstagramより引用

結論:股関節周囲(股関節包)に感覚受容器はほとんどない

この研究で分かったこと、それは股関節包を中心とする組織のほとんどに感覚受容器(メカノレセプター)がなかったということです。

より具体的にいうと…

先生

あるのはあるんだけどかなりまばらな状態だったんだよね

という結果でした。

とはいえ、こんな疑問も出そうですよね。

年齢とか性別とかで違いがあるんじゃないの?

A.それもないみたいです。

実は、この研究においても以下3つの観点が調べられているようでして…

  1. 股関節の左右差
  2. 年齢
  3. 男女差

結論、どれも「差がなかった」ということが明らかになりました。

感覚受容器(メカノレセプター)のまばら感に差がないということ

臨床への示唆① 股関節の安定感に関節包などの寄与率は低いかも

繰り返しですがこの研究で、股関節包を中心とした軟部組織には感覚受容器(メカノレセプター)がほとんどないことがわかりました。

感覚受容器(メカノレセプター)は本来、体性感覚情報の元になるいわばセンサーの役割を果たすわけですが、これが存在しないということは、姿勢反射を含めた運動制御が困難になるわけです。

その観点に立つと、股関節の安定感にはこうした軟部組織の貢献度合いは低いのではないか、ということが考えられます。

きんたろーInstagramより引用

臨床への示唆② 股関節の安定感に寄与しているのは筋肉や靭帯の可能性大

となれば、股関節の安定感に寄与しているのは誰かという話しになりますが、これはあくまでこの研究結果のみからの考察なので消去法にはなりますが、「筋肉」「靭帯」がそれに該当してくるのかなと思います。

ゆえに、例えば脳卒中後などに「股関節がなんだが不安定だな、グラグラしてるな。」と感じる患者さんがいた場合は、(靭帯はどうにもできないので)筋肉がしっかり働いているかどうかの評価と、それに伴ったリハビリというのが必要になってくるかもしれません。

この辺、分かってはいると思うのですが、よりご自身の臨床に根拠を持つという意味も込めて、一つ知識の引き出しにストックしていただけると嬉しいです。

きんたろーInstagramより引用

というわけで、本日お伝えしたい内容は以上となります。

以下、本日のまとめです。

まとめ

  • 一般論として感覚受容器(メカノレセプター)は関節に多いとされている
  • ところが『股関節』においては関節包を中心とする軟部組織には感覚受容器(メカノレセプター)がほとんどないことが分かった
  • 股関節の安定感に関節包などの貢献度合いは低いと考えらえる
  • 股関節の安定感には筋肉や靭帯の貢献度合いが高いかもしれない

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きんたろー

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