腰痛がある人のうち仙腸関節が問題になっている割合は⚪︎%

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腰痛がある人のうち仙腸関節が問題になっている割合は⚪︎%

仙腸関節第一主義のリーズニング

「この患者さんの腰痛の原因は仙腸関節だな」

このように、日々腰痛患者さんのリハビリあるいは治療を進めていく際、その原因として「仙腸関節の問題」をどのくらいの頻度で考えてあるでしょうか?

「あまりないかも」という方もいれば、一方で「そこそこ多い」という方もいるんじゃないかと思います。

ここに、もしばらつきが出るとすれば「腰痛に対するバイアス」がそれを生み出している可能性が高く、最も大きな要因は「手技」である僕自身は考えています。

具体例を出すと「AKA」はその代表例だと思います。

仙腸関節が治療の第一選択として設定されている同手法だと、「仙腸関節障害」という診断名は出ていなかったとしても、腰痛を見る際の視点が仙腸関節に寄ってしまうことは十分あり得ることで、実際に僕は実習生の頃にこうした先輩PTを見たことがあります。(一人二人じゃない)

腰痛患者さんが来たら「とりあえず一旦仙腸関節を見る」

このようなスタンスで臨床を進めているセラピストは、おそらく現在も一定数いると思います。

とはいえこう言うと、なんだかAKAという手技を否定しているように聞こえる方もいるかもしれませんが言わせてください

「そのような意図は全くないです」

僕はこれまでもこれからも基本スタンスとして、「病態にマッチしている方法を選択すべき」と考えています。

もっとわかりやすくいうと、方法論ありきで臨床を進めるのはギャンブル性が高くなるので、「あなたのやりたい治療じゃなく患者さんに必要な治療を選択しましょう」というメッセージです。

ゆえに、AKAについても「その腰痛の病態が仙腸関節に起因するものであればAKAを用いるのは選択肢の一つとして全然ありだよね」と思っています。

なので、冒頭AKAの話しを例に出しましたが決して否定しているわけではありません。

仙腸関節が原因で腰痛が生じている割合を知ろう

さて、今回この記事を通して僕が伝えたいことそれは、、、

腰痛を患っている人のうち本当に仙腸関節に問題があって痛みがある人の割合を知っておきませんか?

という話しです。

なんとなく、「腰痛=とりあえず仙腸関節」というリーズニングをしてしまう人もいるかもしれませんがこの思考はそこそこ危険です。

なぜなら、先ほど申し上げた通り「ギャンブル性が高くなるから」です。

特に腰痛というのは原因となる因子が膨大にあるんです。

そんな世界線が広がっている状況下で仮に治療を一つに絞ったらどうなるか?

結論、痛みを緩和させられる成功確率というのがとてつもなく下がるというふうに言われています。

だからこそ、腰痛に対峙するのであればまずは要因となる問題を列挙していき、その問題にジャストできる方法論のラインナップを取り揃えていく、それが必要なステップになるわけです。

ちなみに、徒手療法はその他の治療手段と組み合わせて活用することがガイドラインでも推奨されています
https://bjsm.bmj.com/content/54/2/79.long

そして、この数ある問題にもグラデーションがあったり、問題と思ったものが実は問題ではなかったみたいなこともあります。

だからこそ、その一つの例としてまずは「仙腸関節による腰痛の実際」を知っていただきたいなと思っています。

腰痛がある人のうち仙腸関節が問題である人は「3%」

今回、「仙腸関節による腰痛の実際」について結論づけるにあたって参考にした論文はこちらです。

仙腸関節付近に痛みがある腰痛患者を112人集めて、彼(彼女)らの仙腸関節に問題があったかどうかを調べました。

結果は…

腰痛がある人のうち、仙腸関節がその原因だった人の割合は「3%」でした

人数にすると「4人」です

これでいくと、腰痛を患っている人のうち仙腸関節に問題があるケースというのはかなり稀なんです。

しかも、今回は仙腸関節付近に痛みを訴えている人たちを集めているため、それでこの結果ということがすごく重要です。

「腰痛=仙腸関節が問題である」は危険

この研究で、112人のうち4人は本当に仙腸関節が問題だったことを考えると、「仙腸関節を全く考えなくて良い」わけじゃないということは確かです。

しかし、腰痛を患っている人を見て直感的に「仙腸関節が問題だ」と決め打ちできるほどありふれているわけでもないということを認識しておいた方が良いかもしれません。

仙腸関節障害を考えるなら必ずやるべき6つの評価

従来、仙腸関節の誘発テストとしてよく用いられるものとして、ゲンスレンテストパトリックテストなどがありますが、実はこれらのテストは感度こそ高い一方、特異度が低いとされているのが課題です。

詳しくはこちらをご覧ください。

あわせて読みたい
【これで鑑別可能!】仙腸関節障害を見分けるための6つのテスト 整形外科クリニックや、治療院、整骨院などで腰痛患者様が来院されることって物凄く多いと思うのですがその際に… この腰痛の原因って一体なんだろう…? という疑問もし...

この記事でもご紹介していますが、現在仙腸関節の問題を疑う場合は以下6つのテストを行うことが推奨されています。

仙腸関節障害に用いたい6テスト
  1. one finger test
  2. 鼠径部痛の有無
  3. 椅子座位痛の有無
  4. Newton test変法
  5. PSIS圧痛
  6. 仙結節靭帯圧痛

まとめ

・腰痛=仙腸関節に問題があるとする直感的なリーズニングは危険

・なぜなら、仙腸関節付近に痛みがある人のうち仙腸関節に問題がある人の割合は3%

・仙腸関節の問題を疑う場合は6つの評価を実施することが好ましい

参考文献

1)What does best practice care for musculoskeletal pain look like? Eleven consistent recommendations from high-quality clinical practice guidelines: systematic review.Ivan Lin

2)Sacroiliac Pain: Structural Causes of Pain Referring to the SI Joint Region.Nicholas N DePhillipo,2019

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