【臨床推論に必須能力】論理的思考力が高い人の3つの特徴

リハビリテーションの現場において、私きんたろーが最も必要であると考えている能力。

それが、『論理的思考力(ロジカルシンキング)』です。

論理的思考力とは、目の前に広がっている様々な情報を紐解き解釈することであり、これは日々現場において臨床推論という考える力が求められる私たち理学療法士や作業療法士にとって、マストなスキルと言えるでしょう。

昨今、SNSやオンラインセミナーの普及によって臨床現場で使える方法論というのはいとも簡単に入手できるようになってきました。

これ自体はリハビリテーション業界にとって非常に良いことである一方、現在生じている問題として…

「手元に武器(スキルや知識)は揃っているが使い所がわからない」

という問題が起きていて、セミナーや勉強会でインプットしたはいいものの、それがどのような場面で活用できるのかがイマイチ分からないという人が増えてきています。

これは、つまるところ知識を臨床に変換するための『考える力』が備わっていないことを意味しており、ここでいう考える力というのが冒頭出てきた『論理的思考力』や、その他には『問題解決能力』と言われる力があります。

この辺りの能力を伸ばしていくためには、日々考え続ける癖を持たなければならないのですが、「まず何から考えていけば良いのか?」という部分がそもそも分からないケースがあるので、こちらの記事でポイントを解説しておりますので良かったらご覧ください。

というわけで、本日の本題です。

今回は、私きんたろーが「あ、この人論理的だな。」と思うポイントを3つに分けてご紹介していきたいと思います。

こんな人にオススメ
  • 自分の臨床が自分の言葉で上手く説明できない
  • 言いたいことはあるのだが頭の中でごちゃごちゃしてしまう
  • 臨床で何から考えたら良いか分からない
目次

【臨床推論に必須能力】論理的思考力が高い人の3つの特徴

①イシューがしっかり抑えられている

症例発表や症例検討もしくはカンファレンス等において、推論を含めた考え方が分かりやすい人が「必ずここ外さないよね」というのが、「イシューがしっかり抑えられている」というものです。

イシューとは、『いま考えるべきテーマになるもの』であり、要は「これから何について話すのか?」というイシューをまず最初に強くグリップして、そこを中心に論理展開していける人はかなりの確率で話しが分かりやすいです。

一方で、「この人何言ってるかわかんないな」と思う人の特徴はこれと全く逆で、イシューがグリップできていないまま次から次に話題がすり替わっていきます。

何かを主張する際に『解決すべきテーマ』であるイシューがふわっとしている状態で「こうしました。あれをしました。」と言われても、話しがあちこち飛んで結果何を伝えたいのかが入ってきません。

そのため、議論の場において自分の主張を述べる際は必ず最初に『今回論じるテーマは何か』というのをバシッと決めておく必要があるなと思います。

②考えるべき論点が複数ある

他者に自分自身の意見や考えを伝える場面において、論理的に考えられている人は「最初から問題点を決め打ちせず、考えられる仮説(論点)をきちんと抑えた上で主張している」ということが自然にできています。

例えば、慢性疼痛のリハビリを行っていくなら当然考えるべき論点として『感覚的要素』『情動的要素』『認知的要素』は少なくとも抑えておきたいですが、これらを考えないまま最初から「◯◯が問題だ!」と論理展開が行われると、「反証可能性考えたのかなー?」とか「決め打ちしたのではー?」という疑問がチラつきます。

※もちろん、ここの論点出しは1人で考えるのには限界があり、多少の抜け漏れがある分には全然問題ないですが明らかに最初から一点集中で決め打ちしているとあまり好ましくないかもしれないなと思ってしまいます。

③主張が根拠で支えられている

『自分が伝えたいことを主張する際はしっかり根拠となるファクトで支えること』

これは、不特定多数の人たちの前で自分の考えを述べるときに絶対守ってほしいルールです。

そして、ここでいう『根拠』とは何か?

それは、「誰が見ても、ある程度同じ解釈となるような客観的なアウトカム」です。

リハビリテーション場面で考えるなら、例えば極端な例でいくと…

「MMTが2なら…」→「筋力低下があるよね」 みたいなことです。(すごく単純ですが)

誰かに自分の主張を伝える際、当然ですがベースとなる知識が必ずしも同水準であるとは限りません。

一対一ならその確率はまだ高いですが、症例発表のような不特定多数の人が集まる状況だと全員が同じレベルの知識を持っているなんてことはほぼあり得ないと言ってもいいと思います。

そうした場合に、例えば用意した根拠が『自分の感覚』とか『ある特定の手技手法団体が用いる用語』などを持ってきてしまうと、聞いている側はもはやそれが根拠になっているのかすら分かりません。(主張する本人は「根拠だ!」と思っているかもしれませんが)

繰り返しですが『根拠』とは、その結果なら誰が見ても「うん、そうだよね」とある程度一般的な解として認知されているものがやはり好ましいです。

論理的思考力が高い人は、こうした部分も抜かりなく抑えられており主張と根拠のピラミッドがきちんと整合しているので、話している内容が非常に分かりやすく聞いていて納得感があります。

そして同時に、議論に持っていきやすいというのも一つ大事な特徴です。

というのも、主張に対する根拠として客観的なファクトを持ってきてくれると、「自分だったらこう考えるかも」という解釈に違いが生まれるからです。

解釈に違いが生まれることは決して悪いことではなくむしろ超健全です。

一つの客観的なファクトに対して他者間で異なる解釈が生まれることによって、新しい方法なり考え方が創発される可能性があります。

一方で、根拠が「見た感じ私はこう思いました」というような根拠の提示の仕方だと、結論聞いている方は「あなたがそう思ったならそうかもね。」で終わっちゃうので議論にならないのです。

論理的思考力が高い人の3つの特徴まとめ

以上が、僕が考える論理的思考力が高い人の特徴3選です。

人は論理的に考えるより、むしろ感情で物事を意思決定することの方が多いため論理的思考力が全てだとは思いません。

しかし、私たちの仕事は自分の感情だけで勝負していい仕事ではないこともまた事実です。

知識だけが独り歩きしないように。

自分の興味関心のある方法論を患者様に当てはめないように。

インプットした知識やスキルを“適切に”患者様に提供できるようにするためにも、論理的に考える力は必須であると感じています。

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