理学療法士や作業療法士に必要な問題解決能力について解説

リハビリテーションの現場において、とても重要な能力になってくるのが『論理的思考力』『問題解決能力』であると僕は思っているるのですが、じゃあこれら能力の使い所ってどこかという話しなんですが。

臨床現場において、これら能力が一番必要とされる場面が臨床推論を行う時です。

もっとこれを具体化すると、『手元にある知識を臨床で使えるように落とし込む』時に必要なスキルがこうした論理的思考力や問題解決能力です。

で、以前『論理的思考力』については少し触れましたので今日はもう一つのスキルである『問題解決能力』に振り切った話しをしていこうと思います。

この辺りの『考える力』が自分足りねえなと感じている方はぜひ最後までご覧ください。

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理学療法士や作業療法士に必要な問題解決能力について解説

『問題解決能力』とは

リハビリテーションの現場において私たち理学療法士や作業療法士がやっていかなければならない仕事の一つ。

それは、『複雑な問題を紐解いて自分なりの言葉で結論を導き出す』ことです。

これはどういうことかというと、臨床を行っていく中で必ず皆さん『臨床推論』という営みを踏んでいると思うのですがその際、患者様が持つ病態って単一の学問から構成されていることってあるでしょうか?

要は、「この患者様の問題は運動学だけで解決できる!」とか「解剖学が問題だ!」というようにたった一つの学問だけで病態が構成されているかという問いです。

結論、僕はノーだと考えていて、現実は運動学の問題も、解剖学の問題も、加えて心理学や神経科学、生理学などなど、沢山の学問がぐちゃっと混ざった状態で病態が構成されているのがリアルだと思っています。

だからこそ、私たちセラピストがやらなければならないことというのは、ぐちゃっと混ざった病態を少しずつ紐解いて、その患者様にとって最適解となる答えを自分自身で導き出していかなければなりません。

そして、このような「複雑な問題を紐解き解を出す」という能力こそが今回のテーマである問題解決能力です。

問題は作るのと解くの、どっちが難しいか?

『問題解決能力』というのは実は2つに分解することができます。

それが、「①問題を作る」ことと「 ②作った問題に対して答えを出す(問題を解く)」ということです。

このうち、②の『問題を解く』という営みですが、実はこれ自体は学校教育を通して何度も何度も繰り返し行ってきているので、割ととっかかりやすかったりします。

加えて、出された問題を解く場合「どっかに答えがあるのなら…」というマインドになりやすいので、立ちはだかる壁としてもそんなに高くないです。

そして極め付けは、「問題に対する解決策(ソリューション)は今の時代既に沢山ある」というのが環境要因としてかなりでかいです。

要は、オンラインセミナーやSNSによって多くの人が「◯◯に対するリハビリテーション」というような形で解決策を提示してくれているので、解決策に関しての悩みどころは実はかなり減ってきているような気がしています。

さて、ここまでが『問題を解く』側面について僕なりの考察でした。

では、問題解決能力のもう一つの側面である『問題を作る』なんですが、結論これがめちゃめちゃ難しいんですね。

理由として、一つは馴染みがない」というのが挙げられます。

先ほども話したように、僕らは出された問題を解くことにはかなり慣れているのですが、「自分で問題を見つけ出す」みたいな世界観で、これまで教育を受けていないので、「問題を作る」という頭の使い方がいまひとつピンときにくいんです。

そしてもう一つ、問題を作ることの難しさとしてあげられるのは「答えがない」ということです。

つまり、ただ単に問題を量産すればいいということではなく、仮に問題を作ったとしても 「今その問題って解く必要あるんだっけ?」という、作った問題が「良い問い」かどうかも考慮しなければなりません。

例えば、人口のほとんどが携帯電話を持っているこの時代に 「公衆電話を普及させるにはどうしたらいいか?」 なんて問いを立てようもんなら、「え?それ今考えることだっけ?」と、周囲から反対コールが沸き起こると思います。

このように、「問題を作る」というのは単純に立ててればいいということではなく、その質さえも問われるので、思った以上に難しいです。

しかし、だからこそ問題を解くのが得意な人たちに比べて、まだまだ問題を作ることができる(やっている)人というのは少ないです。 ゆえにその希少価値も相対的に高くなると僕は思っています。

臨床において『問題を作る』とはイシューを設定すること

では、この『問題を作る』というのは、臨床に置き換えるとどの部分に当たるのか。

というと、それは『イシューの設定』がこれにあたります。

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イシューとは、臨床を進めていく上でテーマに当たる部分ですが、これこそがまさに解くべき問題そのものになります。

ゆえに、イシューを作るときの難渋点の一つには、先ほど話したように「この問題って今解くべき問題なんだっけ?」という部分も考慮しなければならないことです。

つまり、「患者様が◯◯(退院など)する上でいま解決すべき問題は何か?」と、本来これを因数分解した問いがイシューになるはずなのですが、よくあるのはこのイシューの部分に『自分が解きたい問題』がきてしまうことです。

こうなると、解くべき問題の優先順位がズレてしまい、結局問題を解いたとしても患者様にそれが還元されない状況となってしまいやすいです。

だからこそ、真っ先に目につく問題を解きにかかるよりも、まずは「いま解くべき真の問題ってなんだろう?」ということに思考を巡らせるというのが非常に大切になってきます。

問題解決の話しまとめ

というわけで、今回は「問題解決能力とは何か」ということや、「問題解決とは実際に何をすべきなのか?」

この点について解説させて頂きました。

今回お伝えした問題解決能力をはじめとする『考え方』については、養成校や臨床に出てからもあまり教わる機会がないと思いますので、ぜひこの機会に抑えて頂き、これ以外の思考系に関する記事もご覧頂けたら嬉しいです。

それでは、明日も良い仕事しましょう!