臨床推論が苦手な人が持っている、たった一つの特徴

本日はタイトルにもあるように『臨床推論が苦手にな人の特徴』と題して、現在臨床を行っていく中で臨床推論が上手く行えないと感じる方へ一つアドバイスをさせて頂けたらと思っています。

おそらく、臨床推論が苦手てである感じている方に最も共通するであろう点に言及しておりますので、ぜひ最後までご覧いただき明日からの臨床に活かしていただけると幸いです。

それでは、はじめていきます。

目次

臨床推論が苦手な人が持っている、たった一つの特徴

きんたろーInstagramより引用

結論=情報の集めすぎ

早速ですが、まず結論から言います。

臨床推論が苦手な人には一つ共通点があると思っていて、それが『情報の集めすぎ』です。

『情報の集めすぎ』とは、臨床で担当患者様の問題点を見つけていく際によく起きがちなことで、患者様が呈する症状全てが重要そうに見えてきて、それらを無理矢理繋ぎ合わそうとした結果、何から手をつけていいか分からなくなり、思考がパニックになってしまう事です。

臨床推論が上手くいかない人ほど、この『情報の集めすぎ』というのが大きなボトルネックとして存在しているような気がしています。

きんたろーInstagramより引用

なぜ、情報を集めすぎてしまうのか?

では、次に考えたいのが『なぜ、情報を集めすぎてしまうのだろうか?』という問題です。

その理由として一つ考えられるのは、リハビリテーションを行っていく上での『テーマ(目的といってもいい)』がふわっとしているからではないかと思っています。

なぜ、テーマがふわっとしていると情報を集めすぎてしまうのか。

ちょっと、この理由を具体的にお話しするには前提が必要なので、先にそちらから話します。

さて、臨床推論や情報収集を行う前に、そもそもリハビリテーションを進めていく際に大切なことがあります。

それは、目の前にある情報(症状)を手あたり次第集める前に、まずは『本症例には何をしなければならないのか』というリハビリテーションのテーマを明確にすることです。

テーマが明確になれば、次にすることはそれに関連しそうなファクト(事実)を集め、仮説を立てていきます。

これが、本来の順番です。

ちなみにテーマにあたる部分というのは、リハビリテーションを進めていく上で考えなければならない事が当てはまり、これを『イシュー』と言います。

きんたろーInstagramより引用

ところが、このイシューが決まっていない状態で患者様の問題点を考えようとしたらどうなるか。

それは、先ほども述べましたが、考えるべき基準が定まっていない事で、目に付く重要そうな症状全てに目がいってしまうのです。

その結果、様々な情報が入ることによって何から考えたらよいか分からずパニックになってしまいます。

これが臨床推論が上手く行えない人の特徴の一つではないかと思っています。

きんたろーInstagramより引用

よって、繰り返しになりますがリハビリテーションを進めていく上でまず行わなければならないのは、まずは明確な『イシュー(考えなければならないこと)』を設定することです。

そうすることで、まずはそのイシューに紐づくと思われるファクトだけを抽出することができ思考が整理しやすくなります。

イシューと関連しないファクトはどうする?

きんたろーInstagramより引用

ここまで、リハビリテーションを行う際は、まず『イシューを設定』し、そのイシューに関連するファクトを集めていくと思考が整理されやすいという話しをしてきました。

この話しをすると、一つ疑問として挙がるのが…

「イシューと関連しないファクトは無視しても良いのか?」

というものですが、これは大切なことなので以下のことをよく理解しておいてください。

イシューと関連しないファクトは、その論点においては深く考えなくても良いが、それ自体は患者様にとって重要な症状の一つに変わりはない

つまり、上図の例で考えるならば、今回のイシューが『脳卒中片麻痺により分回し歩行が生じる原因は何か?』とした場合、『半側空間無視』も『失語症』も患者様にとってはとても重要なファクトの一つに間違いはないのですが、このイシューにおいて優先度が低いと判断すれば一旦考えなくても良いです。

しかし、『半側空間無視』も『失語症』も改善を図っていきたい重要なテーマになってくるので、その際はまた別のイシューを設定しその時にこれらのファクトを加える必要があります。

このように、考えるべき論点をいくつかに分けることで、それに必要な情報をある程度絞ることができ情報の集めすぎを防ぐことに繋がります。

もしいま現在、情報の集めすぎで思考がフリーズしていると感じている方は是非参考にしていただければ嬉しいです。

まとめ

本日のまとめ
  • 臨床推論を上手く進めていくためには、闇雲に目の前の情報(症状)に飛びつかないこと。まずは考えるべき論点(イシュー)を掲げましょう。
  • イシューが明確化したら、それに紐づきそうなファクトを集めて仮説を立てていきましょう。
  • イシューと関連しなさそうなファクトは、その論点においては一旦優先順位を下げて、異なるイシューの際に必要であればファクトに加えましょう。
  • イシューと関連しないと思われるファクトも、患者様にとっては重要な症状の一つなので、決して『なかったことにするわけではない』事を肝に命じておきましょう。
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