表在感覚検査の検査精度を高める方法

さて、本日は『表在感覚検査の検査精度を高める方法』というテーマでお伝えしていこうと思います。

今回の記事では、現在一般的な表在感覚の検査方法となっている、毛筆やティッシュなどを用いて行うやり方に「そこそこ疑問を感じている」もしくは「何となくしっくりこない」という方にとって非常に参考になる内容となっています。

ぜひ、最後までご覧頂き日々の臨床に生かして頂ければ幸いです。

それでは、はじめていきたいと思います。

目次

表在感覚検査の検査精度を高める方法

一般的な表在感覚検査の方法をおさらい

本題に入っていく前に、まずははじめに従来の表在感覚の検査方法についておさらいをしていきたいと思います。

現在、一般的に用いられている表在感覚の検査方法は、毛筆やティッシュなどを使って検査部位となる四肢や体幹に対して触れていくやり方が基本です。

なお、その際の評価方法としては、主に『10回法』と『10点法』が使われています。

きんたろーのInstagramより引用

①10回法による表在感覚検査

『10回法』とは、10回表在感覚検査を行い10回中何回正答するかで感覚状態の程度を評価する事ができます。

表記の仕方としては『◯/10』という形で、正答回数によって『正常』『軽度鈍磨』『中等度鈍磨』『重度鈍磨』『脱失』というように評価していきます。

②10点法による表在感覚検査

『10点法』とは、健側や脳卒中等であれば非麻痺側と比べて患側(麻痺側)の感覚の程度を患者様に点数で言語化してもらうやり方です。

聞き方としては、「健側を10点(正常)とした場合、患側は何点ですか?」というような形ですね。

一般的な表在感覚検査の問題点

ひとまず、表在感覚検査のやり方はこれぐらいにして…

次は、この従来のやり方で生じやすい問題点について触れていこうと思います。

結論、その問題とは…

『検査の精度が粗いこと』です。

きんたろーのInstagramより引用

この、「検査の精度が粗い」という点において、よくその原因として挙げられるのが上図にもあるように…

 セラピストが毛筆やティッシュで触る際の強さによって、患者様の知覚体験に変化が生じそうだということ。

 『10回法』の場合、◯/10というある種ざっくりした記述になるので、評価結果にばらつきが出る可能性がある。

大きくはこういった点によって、「表在感覚検査の精度が粗く感じる」という人は少なくないはずです。

精度が高い表在感覚検査デバイス

というわけで、これら表在感覚検査の問題点を踏まえた上で。

ひとまず、従来の表在感覚の検査よりは少なからず精度が高いであろう、そんなデバイスをご紹介したいと思います。

モノフィラメント知覚テスター

きんたろーのInstagramより引用

ご紹介したいのが、こちらの『モノフィラメント知覚テスター』です。

ここがポイント

別名セメスワインスタインモノフィラメント(Semmes-Weinstein Monofilaments)とも言われ、その際は『SWテスト』もしくは、『SW知覚テスター』と表記される事があります。

酒井医療株式会社様が取り扱っている表在感覚の検査デバイスであり、これがすごく優秀なんです。

きんたろー

僕は回復期病院に勤務している実際にこれを使ってました!

「何が優秀なのか?」というわけで、いくつかその特徴をお伝えしていきますね。

モノフィラメント知覚テスターの特徴① 触る強度が分かりやすい

上図にも示しているのですが、モノフィラメント知覚テスターは皮膚に触れる強度ですね。

それが決められていて、時間は約1秒〜2秒、そして触れる強さはフィラメントがたわむまでです。

セラピスト

フィラメントって柔らかくてすぐたわむんじゃ?

ご安心ください。

実はですね、このモノフィラメント知覚テスターって実際に使って頂くとわかるんですが、結構フィラメントが硬めなんです。

硬めといっても針金みたいに硬いわけじゃないんですが、少なくとも糸や毛筆みたいな柔らかさではないです。

なので、軽く触れたくらいじゃ全然たわむことはなく少しだけ押さないといけません。

そのため、ティッシュや毛筆で触るとばらつきが出る従来の表在感覚検査よりも、誰がやっても大体同じ強さで検査をすることが可能であるという点が非常に良い点かと思います。

モノフィラメント知覚テスターの特徴② ミリ単位で区分けされている

モノフィラメント知覚テスターは、フィラメントが細いものから太いものまでがミリ単位で色分けされています。

そのため、検査を行う際はその評価自体がかなり細かく精査する事が可能になるのです。

フィラメントの色分け
  • グリーン
  • ブルー
  • パープル
  • レッド

ポイントとしては、グリーンほどフィラメントが細くレッドに向かうほどフィラメントが太くなることです。

つまり、グリーンのモノフィラメントを知覚出来るほど感覚機能は正常であるといえます。

きんたろーのInstagramより引用

従来の表在感覚検査では、『重度鈍磨』や『中等度鈍磨』というように感覚の程度が比較的ざっくりしていたのに対し、この検査方法ではミリ単位で細かく精査しつつも、その結果は色で示す事ができるので非常に分かりやすいという点があります。

各色と検査結果の関係
  • グリーン:正常
  • ブルー:触覚機能軽度低下
  • パープル:触覚機能軽低下
  • レッド:脱失もしくは測定不能

SWテストは、感覚状態を比較的客観的に評価できるという特徴があるので特に学会などアカデミックな場で表在感覚の状態を表す際にとても有効な手段であると思います。

実際、僕自身学会発表の時は必ずSWテストを用いていました。

表在感覚検査まとめ

以上が、「表在感覚検査の検査精度を高める方法」でした。

モノフィラメント知覚テスター(SWテスト)に少しでもご興味湧いた方は、ぜひ上司や備品の意思決定権を握っている方に交渉されてみてください!

必ず臨床でお役に立つと思います。

それでは、今日も良い仕事していきましょ!

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