【イラスト&英語付き】関節運動の種類と特徴一覧

きんたろー
皆さん、こんにちは。理学療法士のきんたろーです。

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人の関節運動は、理学療法士や作業療法士をはじめ、多くのコメディカルの方や柔道整復師や鍼灸師の皆さんも養成校時代必死に覚えてこられたのではないでしょうか?

関節運動の理解は、人の体を見ていく仕事を生業とする私たちにとって欠かせない知識の一つです。

そこで今回は、これからそういった職業を目指す学生の皆さん向けに関節運動の一覧をイラスト付きで作成しました。

ぜひ、写真と用語を一致させながら関節運動の理解を深めていきましょう!

ちなみに、関節運動に関して今回参考にさせて頂いた書籍と、臨床に役立つおすすめ書籍をご紹介しておきます。ぜひこの機会に手に取り勉強してみてくださいねー!

【イラスト&英語付き】関節運動の種類と特徴一覧

関節運動の種類① 挙上・下制

『挙上』と『下制』は主に肩関節や肩甲骨の動きを表したりするときに用います。

肩甲骨は上肢の運動を考える上では絶対に外せない動きになるので、これ自体は“関節ではないですが”ご紹介しておきます。

・肩関節=shoulder joint
・肩甲骨=Scapula

 

関節運動の種類② 上方回旋・下方回旋

『上方回旋』と『下方回旋』も主に肩甲骨の動きを表す際に用います。

この動きはイマイチ、イメージがしづらいので解説を見ながら実際に自分で動かし、体感として理解を深めて頂けたらと思います。

まず、上方回旋ですが…

上方回旋は肩甲骨の関節窩が上方に動いていく運動です。主に、肩関節を外転運動した際などに連動して生じる運動です。

一方、下方回旋は…

肩甲骨の関節窩が下方に動いていく運動です。主に、背中で帯を結んだりする動作(結滞動作)の時や、背中を掻いたりする時などにこの動きは生じます。

下方回旋のイメージ

結滞動作の際に、肩甲骨は下方回旋する必要がある。

関節運動の種類③ 屈曲・伸展

『屈曲』と『伸展』運動は、四肢から体幹まであらゆる関節で行うことができる運動です。

今回は代表として、肩関節運動のイラストのみ示します。

※医療現場においては、関節運動を英語名でも(そこそこ)使う時があるので、この機会に抑えておきましょう!

※本当、そこそこです。

関節運動④ 内転・外転

『内転』と『外転』運動も、四肢と体幹で行うことができる関節運動になります。

内転と外転を考えていく上で注意点があるとすれば、参考可動域に関してです。

例えば、肩関節においては…

外転は0~180°と大きな可動域をもちますが、内転に関しては0°となっています。

0°というのは、上肢が体の側面に当たったところまでを言います。つまり、『気をつけ』の姿勢ですね。

ただ、実際に内転運動を行おうとすると、体の前を通過するような動きができると思いますので、例えば定期テストなどにおいて…

肩関節内転運動の参考可動域を答えなさい。

というように問われた場合には…

かなり体の前を通過できるから、30とか40°とかいっちゃうんじゃ…?

と、惑わされないように注意しましょう!

肩関節『内転』運動の参考可動域は0°

関節運動⑤ 水平屈曲・水平伸展

『水平屈曲』と『水平伸展』運動は、主に肩関節で行われる関節運動になります。

注意点としては、この水平屈曲・水平伸展は別名として『水平内転』『水平外転』とも呼べる点です。

人によっては、この2つの名称を片方のみで覚えている人もいるので、できれば両方抑えておき、会話の時に理解がずれないように覚えておきましょう。

水平屈曲=水平内転
水平伸展=水平外転

関節運動⑥ 内旋・外旋

『内旋』と『外旋』運動は、肩関節股関節で行われる関節運動です。

股関節=hip joint

内旋と外旋に関しての臨床的注意点とは、参考可動域と実測値にそこそこズレがあるという点です。

例えば、股関節内旋と外旋の参考可動域はともに0~45°となっています。

が・・・実際の臨床において、この可動域に関しては男女差によって結果が異なるケースが多いです。

というのも、股関節内旋は女性の方が関節可動域が大きく、股関節外旋は男性の方が関節可動域が大きくなりがちだからです。

これに関する根拠は、先行研究によっても実証されています。

股関節内旋、足関節底屈は全ての年代で女性のほうが大きい値を示した。これは先行研究の結果と一致しており、年代に関わらず女性のほうが男性よりもROMが大きい項目であることが示された。また、本研究において唯一男性のほうが女性よりもROM が大きい値を示したのが股関節外旋であった。

下肢の関節可動域と筋力の年代間の相違およびその性差.松村ら,2015より引用

性別によって回旋可動域が変わる理由としては、股関節の形態学的特徴(主に前捻角)が挙げられますが、これに関する詳細は参考書等を譲ります。

股関節『内旋』可動域は女性の方が大きくなりやすい
股関節『外旋』可動域は男性の方が大きくなりやすい

関節運動⑦ 回内・回外

『回内』と『回外』運動は、前腕(橈尺関節)足部・足趾で行われる関節運動です。

足関節=ankle joint

前腕における回内と回外は、イラストに示す通り割とイメージしやすいと思います。

一方で、分かりにくいのが足部における回内と回外です。

実は、足部の関節運動は2022年4月に改訂が行われました。

理由としては、回内や回外はじめ『外がえし』や『内がえし』といった運動が国際的な定義とはズレていたからです。

加えて、実は国内のセラピストの中でも、回内外や外内がえしがごっちゃになっている人が多くいたため、これら関節運動の理解を一致するために今回改定に踏み切ったのです。

改定後の『外がえし&内がえし』と『回内&回外』の定義

【外がえし・内がえしの定義】

足関節・足部に関する前額面の運動で、足底が外方を向く動きが外がえし、足底が内方を向く動きが内がえしである。

関節可動域表示ならびに測定法改訂について.日本リハビリテーション医学会

【回内・回外の定義】

足関節底屈、内転、内がえしからなる複合運動が回外。背屈、外転、外がえしからなる複合運動が回内である。母趾・趾に関しては、前額面における運動で、母趾・趾の軸を中心にして趾腹が内方を向く動きが回外、趾腹が外方を向く動きが回内である。

関節可動域表示ならびに測定法改訂について.日本リハビリテーション医学会

関節可動域改訂の詳細はこちら

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関節運動⑧ 橈屈・尺屈

『橈屈』と『尺屈』は手関節のみで行われる関節運動です。

手関節=wrist joint

『橈屈』と『尺屈』の特徴としては、その参考可動域です。

『橈屈』の参考可動域は0~25°であり、『尺屈』の参考可動域は0~55°となっています。

このように、参考可動域としては尺屈の方が大きいのですが、その理由としては手関節の解剖学的特徴にあります。

橈骨には、『茎状突起』と言われる部分があり(赤丸で囲んでいる部位)、橈屈を行おうとするとこの出っ張りが舟状骨とぶつかってしまうため、関節可動域が制限されてしまうのです。

その点、尺屈はそういった制限因子がないため橈屈よりも関節可動域が大きいのです。

関節運動⑨.⑩ 掌屈(底屈)・背屈

『掌屈』と『背屈』は手関節のみで行われる関節運動です。

ただし、これは『掌屈』という呼び方の時のみです。

名称は違えど、関節運動の動きだけでいえば足関節も同様の関節運動が可能です。

その場合は、『底屈』と『背屈』になります。

これら関節運動に関して、一番の注意点としては…

屈曲&伸展と呼んでいいものと呼んだらいけないものがあるという点です。

結論から言うと、手関節『掌屈』は屈曲、手関節『背屈』は伸展といってもOKです。

しかし一方で、足関節の底屈と背屈は屈曲&伸展と呼んだらいけません。

実は、以前まで足関節も屈曲&伸展と呼んでいましたが、2022年4月に改定され足関節は『底屈』と『背屈』のみになりました。

足背への動きを『背屈』、足底への動きを『底屈』とし、屈曲と伸展は使用しないこととする。

関節可動域表示ならびに測定法改訂について.日本リハビリテーション医学会

少し紛らわしく思うかもしれませんが、これは正式なものとして決められているのでこの機会に覚えておきましょう。

・手関節の掌屈・背屈は屈曲&伸展でもOK
・足関節の底屈・背屈は屈曲&伸展ではダメ

まとめ

以上が、関節運動の種類一覧になります。

今回は、上肢を中心にイラスト例を提示していますが、他にも下肢や体幹でも沢山の関節運動が行われるため、これから少しずつ覚えて行きましょう。

また、今回補足として記載しているポイントについては、非常に重要なところとなるため、ここはしっかり抑えておきましょう。

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