【症例発表】つまらないプレゼンテーションの特徴

理学療法士として働いていると、様々な学会発表に参加したり院内の症例発表会に参加したりと、自分自身が発表するのに加え、他者のプレゼンテーションを聞く機会がとても多いです。

そうした中、症例発表を終えた人の中で時々こんなことを言う人がいるのを見かけます。

セラピスト

質問とか反論がなくて良かった!大成功や!

さて、こういう方をお見かけしたとき、僕はこう思うわけです。

質問や反論が出なかったら大成功なの?

個人的にはこれって結構まずいなぁと考えてまして…

というのは、僕自身がこれまで発表側の立場として色々お話しさせていただく中で、質問や意見が出ないケースって何が考えられるかというと、聴衆者が内容を理解できていないもしくは聴衆者に興味を持ってもらえていない可能性が非常に高いです。

つまるところ、発表自体が自己満足に終わってしまっているということです。(にも関わらずイキリ散らかすってダサくないですか?)

自己満足な発表ほど、症例発表の本来の目的を抑えられていないことが多くって(ちょっと前の僕)、そうすると発表したはいいものの誰の印象にも残らないということが往々にして起こります。

そこで今回は症例発表の目的と、『つまらない』と思われがちな発表の特徴について自分なりの経験も踏まえてお話しします。

目次

【症例発表】つまらないプレゼンテーションの特徴

症例発表の目的とは

そもそも、本来症例発表を含むプレゼンテーション自体の究極の目的は何か。

それは、発表することによって聞き手の行動を変えることです。

聞き手の行動を変えるとは?

聞き手の行動を変えるとは、つまりどういうことかというと自分の発表内容を参考にして、聴講者自身が臨床で実際に活かすフェーズまでもっていってもらうことです。

どんな内容にしろ、プレゼンテーションをするということは本来はここがゴールになります。

となれば、発表者は必然的に“どのような言葉のチョイスをすれば聞き手に刺さるのか”ということや、‟どんな風にロジックを組めば理解してもらえるのか”というように、『聞き手側の気持ちになる』必要があります。

そのうえで、発表を聞き興味を持った聴講者が、分からない事やもっと詳しく深掘りしたいことなどを発表者に『質問』という形で聞きに来るわけなので質問や意見が出ないとは、『聴講者が興味を持つ』というスタート地点に立てていない可能性があるわけです。

自分一人が好きなことを好きなように伝えたり、用意した文章をただつらつら述べていても聴講者の記憶には残りません。

症例発表におけるつまらない発表の特徴

では、次に僕自身がつまらないと感じる発表の特徴を述べたいと思います。

特徴①スライドに並べられている事実だけをひたすら述べている

これは、よくスライドに文章を沢山書く人に多いですが、正直スライドに書いている内容をただ述べられても

セラピスト

見たらわかる。書いてるやん。

といいたくなります。

書いてあることをただ伝えるだけなら、別にプレゼンテーションをする必要はなく、レジメを配るだけで良いです。

プレゼンテーションは、レジメでは伝えきれないものを言葉にして伝えることが最大のメリットなので、ただスライドに書いてあることを読むのではなく、自分の言葉に熱を込めて相手にきちんと伝えることが大事ではないかと思います。

特徴②ごく一部にしか理解できない専門用語を平気で用いる

実は過去に僕もこの失敗をしていて、失敗経験を通して学んだことです。

これは、何か専門的な内容を研究なり勉強し、ごく一部の人しか知らないキーワードや言葉を当たり前のように使ってしまう事です。

例えば、各手技団体の中で扱われている用語や、研究している人しか分からない用語などです。

それ専門の学会などで発表する場合は問題ありませんが、そうでない場合、このような発表は『つまらない』という烙印を押されがちです。

なぜならば、普通の聞き手というのはそんなごく一部の人しか知らないワードや言葉は意味も分からなければ、理解もできないからです。

自分自身が聞き手側になったと仮定して考えたら想像つくと思いますが、自分が理解できないワードや言葉が出てくると、そこで思考がフリーズしてしまいそれ以降の内容が入ってきません。

発表者からすれば「いや、勉強しろよ」と言いたくなるかもしれませんが、そもそもこの思考こそが自己満足を生み出す根源です。

というのは、そもそもその発表の目的は先ほど述べたように、聞き手に知ってもらい、そのうえで行動を変えてもらうために実施しているはずです。

それにもかかわらず、聞き手が知らないワードを多発したらどうなるか。

どう考えても聞き手の理解は得られず、発表を聞いて感じるのは、「なんかすげーこと言ってんだろーけどむずいわ」くらいなものです。

これでは、目的としている『聞き手の行動を変える』には至りません。

一方で、こういった発表を行う発表者の特徴は、終了後自分の思いを伝えられて気持ちよさに浸っているみたいなことが往々にしてあります。

発表の目的が相手の行動を変えたいというものであれば、『聞き手は何を知っていて何を知らないのか』を準備段階で鮮明にイメージすることです。

もし一人で準備していても分からなければ、友人に「この言葉の意味って分かる?」などのリサーチをすることも良いかと思います。

症例発表時プレゼンテーションを行うときのポイントまとめ

このように自分自身の発表後、質問や意見が来ないというのは決して良いことなんかではありません。

むしろ、“興味を持ってもらえなかった可能性がある”と自分の発表内容をもう一度見直す必要があると思います。

では、最後にここまで出てきたプレゼンテーションを行う際に頭に入れておきたい事をまとめておきたいと思います。

本日のまとめ
  • 発表内容が自己満足になっていないか?
  • 聞き手の立場に立って発表出来ているか?
  • 聞き手は何を知っていて何を知らないのかを考えているか?
  • スライドに書いていることをそのまま読んでいないか?
  • ごく一部の人しか知らない言葉を用いていないか?
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