【バイアスシリーズ④】交絡因子の存在を理解しておくだけで推論の質が飛躍する

きんたろー
こんにちは、理学療法士のきんたろーです。

きんたろーのInstagram

現在、シリーズでお伝えしている『臨床でよくありがちなバイアス』について。

初回は『早まった一般化』を、第2回は『確証バイアス』、そして第3回となる前回は『三た論法』について解説していきました。

関連記事

きんたろーこんにちは、理学療法士のきんたろーです。きんたろーのInstagram『バイアス(思考の偏り)』これは、臨床を行っていると必ず誰しも(一度と言わず)経験するものだと思います。[…]

関連記事

きんたろーみなさん、こんにちは。理学療法士のきんたろーです。きんたろーのInstagram現在、シリーズでお伝えしている『臨床でよくありがちなバイアス』について。前回は、その一つである『早まった一般化』に[…]

関連記事

きんたろーこんにちは、理学療法士のきんたろーです。きんたろーのInstagram現在、シリーズでお伝えしている『臨床でよくありがちなバイアス』について。前回は『確証バイアス』を、そして前々回は『早まった一[…]

このバイアスシリーズもいよいよラストとなり、今回は最後のパートとなる『交絡因子』について解説していきます。

リハビリテーション場面において、交絡因子というのは非常に身近なものになるので、ぜひ最後までご覧頂けたらと思います。

【バイアスシリーズ④】交絡因子の存在を理解しておくだけで推論の質が飛躍する

『交絡因子』とは

交絡因子とは、『原因と結果の因果関係に対して間接的に影響する変数のこと』です。要は結果を左右しうるファクトのことですね。

交絡因子は以下3つの条件が揃ったときに「これは交絡因子です」ということができます。

①その因子が原因となるファクトに関連がある
②その因子が結果となるファクトに影響を与える
③原因と結果の中間因子ではない

ここら辺は例題がったほうが理解しやすいかと思うので、例として一つ有名なものをご提示しますね。

『交絡因子』の例〜コーヒーと脳卒中の関係〜

例えば、「コーヒーをよく飲む人は脳卒中になりやすい」という主張をしている人がいたとします。

一見、「あ、そうなのか。」と納得してしまいそうですが、実はこれには交絡因子によるバイアスが関与している可能性が高く、その因子として考えられるのが『喫煙』です。

少し整理しながら説明していきます。

①原因となる因子:コーヒーを飲むこと

②その結果生じること:脳卒中になりやすい

だとした場合、まず原因である「コーヒーを飲む」に関連がありそうなファクト(因子)が『喫煙』になってくるわけです。

このコーヒーと喫煙は相関関係があるという風な結果が出ており、統計学的にもこの2つの因子には関連があるわけです。

プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

NTTコム オンラインのプレスリリース(2017年10月30日 11時00分)NTTコム オンライン、[コーヒーとタバコ…

そして、もう一つ。

コーヒーを飲むことで生じうる結果として「脳卒中になりやすい」ということに対してですが、実はこの結果自体にも『喫煙』はぴしゃりハマります。

この時点で、『喫煙』は原因となるコーヒーにも、結果となる脳卒中にも影響を及ぼしていそうであることがわかります。

そして、交絡因子と規定されるための3つ目の条件である『中間因子ではない』ということなんですが、これはどういう意味か説明します。

そもそも中間因子とは…

『原因』→『中間因子』→『結果』というように、もし仮に中間因子があればこのようにロジックが一つの線として成立するような状況を言います。(ポイントとしては、原因と中間因子が因果関係になっていることがポイントです。)

関連記事

先生
 さて。いきなりじゃが君は『相関関係』と『因果関係』という言葉をご存じかな?
[…]

つまり、「中間因子ではない」ということは…

『原因となるもの』と『結果となるもの』に影響を与えはするものの、「原因と結果の間を結びつけているわけではない」ということです。(回りくどくてごめんなさい)

先ほどの例でいくと、もし『喫煙』が中間因子であるならば…

「コーヒーを飲めば喫煙しやすくなり、その結果脳卒中になりやすい。逆に言うと、コーヒーを飲まなくなれば喫煙もやめることができるためその結果脳卒中にもなりにくくなる。」

ということになりますが、コーヒーを飲むのをやめたからと言って喫煙をやめるとは限りませんよね?

よって、『喫煙』は中間因子ではないことからこのコーヒーと脳卒中の関係性において「交絡因子である」ということが言えます。

リハビリテーション場面における『交絡因子』

では臨床を行っていく上で、交絡因子はどのような場面で出てくるでしょうか?

例を挙げると、こんな場面が想像されます。

理学療法士
歩行速度が遅いのは膝の伸展筋力が弱いからだ。だから筋力トレーニングをしよう!

こういった推論はかなり多く散見されますが、実はここにも交絡因子が隠れています。

要は、「本当に膝の伸展筋力だけが歩行速度を遅くしているのか?」という問いですね。

この場合における交絡因子を考えてみると、例えば『膝の痛み』なんかが挙げられるかと思います。

 ①原因となる因子:膝の伸展筋力が弱い

②その結果生じること:歩行速度が遅い

ここで『膝の痛み』を交絡因子とおくと…

『膝の痛み』があることによって膝の伸展筋力は低下しそうであることから、この2つは関連しそうです。

同時にこの『膝の痛み』は歩行速度を遅くする要因となりうるためこちらも関連しそうです。

問題は、『膝の痛み』が中間因子かどうかなんですが、仮に膝の伸展筋力が向上したとした場合、さて、、、これで『膝の痛み』は消失するでしょうか?

仮に膝の伸展筋力が向上し膝の痛みが取れた結果、歩行速度が上がるのであれば『膝の痛み』は中間因子になるので交絡因子であるとは言えません。

しかし、もし膝の伸展筋力が向上してもそれが膝の痛み自体とは関係ないものであれば、これは交絡因子になります。

このように、交絡因子というのは私たちの臨床の中でも非常に身近なものなのです。

完全に交絡因子を取り除くのはかなり大変なことですが、大事なことはその事実を知っておくことです。

つまり、臨床推論を行っている最中に「この原因と結果に交絡因子ってないかな?何か見落としてないだろうか?」と思考を深めることができると、臨床の質がグッと高くなるのではないかと思います。

『交絡因子』まとめ

 交絡因子とは、原因と結果の因果関係に対して間接的に影響する変数のこと。

 交絡因子のポイントは『中間因子ではない』ということである。

 『中間因子』とは原因→因子→結果というような線で結ばれたロジックに入らないものをいう。

バイアスシリーズをもっと詳しく学びたい人へ

理学療法士や作業療法士の方向けのオンラインコミュニティ『はじまりのまち』では、臨床推論の進め方を体型的に学ぶ『思考系』のコンテンツを豊富に取り揃えております。

今回お伝えした、『バイアスシリーズ』に関しても2つの動画にて丁寧に解説を行っています。

内容の詳細をご覧になりたい方は、ぜひ『はじまりのまち』へのご参加お待ちしております!

はじまりのまちへ参加する